ゲルマニアのドルスス
いまさらとりたてて紹介するような本でもない。「ローマ人の物語」(著:塩野七生)である。ベストセラー常連だ。
この8~10月に、文庫化第二期として『IV ユリウス・カエサル-ルビコン以前』『V ユリウス・カエサル-ルビコン以後』『VI パクス・ロマーナ』が順次刊行された(いずれも三分冊、新潮文庫)。収納スペースの関係でハードカバーは実家に送ってしまったというのに、ついまた買ってしまうのだった。
なぜ、ここで取りあげたかというと、上記『パクス・ロマーナ』に、太陽系艦隊初期の旗艦《ドルスス》の由来と思われる、ドゥルーススが登場するからだ。
初期ウニヴェルズム級超弩級戦艦は、歴史上の偉人(一部仮想のもの含む)の名を冠されており、《ドルスス》の元になった人物については、松谷先生が29巻『姿なき敵』のあとがきで言及しておられる。残念ながら、本が手元にないので、ふたり挙げられた候補の詳細は引用できない。夭折したドゥルーススは、第二候補だったように思うが……。
『パクス・ロマーナ』は、暗殺されたカエサルの後継者オクタヴィアヌス(アウグストゥス)が、事実上の帝政を軌道に乗せて世を去るまでを記したもので、その中でドゥルーススはオクタヴィアヌスの妻の連れ子のひとりとして、帝政ローマの第一人者を補佐することになる。
本書では、ドゥルーススが兄ティベリウスとともにゲルマニア戦線で勇名をはせる様子が詳述されており、なんとなく、シェールは好きそうかなあと思ったりするのだった。
ま、ローダンネタはさておいても、おもしろい本なので、興味がある方はお近くの本屋まで。いまならたいていの書店で平積みになっているはずだ。
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