ホルスト・ホフマン拾遺
ハヤカワ版538巻『ポルレイターの秘密兵器』巻末にて、訳者の若松氏がホルスト・ホフマンを紹介しているが、その中の、フォルツの死後プロット作家を担当した、とあるのは、残念ながら間違い。
rlmdi.の刊行物をそこそこご覧いただいている方ならご存じの通り、ウィリー・フォルツの死後プロット担当を引き継いだのは、トマス・ツィークラー(邦訳未登場)とエルンスト・ヴルチェクである。どうやらPerrypediaを読み違えたらしい。
昔、ファンジンか何かで書いたような気もするが、フォルツの空白を埋めるためパベル=メーヴィヒ内部でいろいろと人事異動があり、ホフマンは主として編集部サイドに移行しているのだ。
ペリペの(たぶん)該当箇所は“Nach dem Tod von Willi Voltz übernahm er die Bearbeitung der Silberbände ab Band 20 bis Band 80(後略)”とあるのだが、これはシリーズの書籍版にあたる銀本の再編集担当者を指す。合本に収録する話の選択や収録順序の調整(例えば7巻『アトラン』では、まずアトランが海の底から登場し、地球の現状に驚愕したあと地球替え玉作戦の顛末が語られたりする)、エピソードの取捨選択、一部文章を書き直したり、科学考証の修正とかもしている……んじゃないかな?
#銀河系=アンドロメダ間の距離とかどーなってるんだろ(ぁ
その他、毎号4ページの「読者とのコンタクトページ(LKS)」や、4話ごとに巻中綴込みの「ペリー・ローダン・レポート」を含めた諸々を1984年から、1987年にローダン編集部の長にフローリアン・マルチンが就任するまで担当していたことになる。
――といったことは、これまでも知っていたのだが、LKSとレポートをヴルチェクに、銀本の再編集をフーベルト・ヘーンゼルにそれぞれ譲り渡し、晴れて自由の身になったwはずのホフマンがローダン・シリーズに復帰するのは1991年の1564話になってから。
そういや、少し間が空いてるな……と思ったら、こんなのがあった。
Jan Tenner – Der Superheld
サウンドドラマ……というから、日本でいうドラマCDみたいなもんである。各話30分から50分が、1980年-1989年にかけて45本、2000-2002年に12本発売されている。
で、最初の6本を除く残り全部のシナリオを、ホフマン(別名義)が担当しているのだ。
#ちなみに最初の6本担当はH・G・フランシス(別名義)
はるかな未来……といっても、世界情勢とかはそんなに今と変わらない未来(笑)
架空の未来科学都市ヴェストラント最高の科学者フツラ教授のもとには、軍司令フォーベット将軍からたびたびヤヴァい案件についての協力依頼が持ち込まれ、教授開発の怪しい血清を携えて現場へ飛ぶのが、フツラ研究室所属の学生ジャン・テナーのお仕事である――みたいなストーリーらしい。
そっかー、こんなの書いてたのか-。迷子の子犬捜したりするのかにゃあ(謎
2/11追記:
そーいえば、銀本の取捨選択については、いまのとこ2つの“黒歴史”が存在する。『宇宙の不死者』後半にはじまる金星動乱編と、イラーティオ・ホンドロによるプロフォス反乱編は、共にすっぱり削除されている。「謎の金星基地」や「金星の決闘」は生きてるんだけど……トミゼンコフ広場はどーなったんだろな(笑)
※プロフォス編については、後に銀本とは別途合本として販売。
※あ、あとグレイ・ビースト関連も黒歴史か……。
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