うちの辞書2012
「誤訳天国」をはじめた当初、ネタのひとつとして手持ちの辞書類をとりあげようと、「辞書」カテゴリをつくったはいいが、結局gdgdで最初の記事以降、立ち消えとなった。6年余が経過して、それじゃあ今はどうしてんだということで、ひとつ。
《独和》
前回「切れはじめた」と書いたマイスター独和辞典(大修館)は、その後ご臨終となり、『木村・相良』を除いた現行のラインアップは以下のとおり:
- 新現代独和辞典(三修社) 見出し語数110000語
現在のメイン辞書。1994年2月発行。総革装版でお値段6,320円。
なんとゆーか、結局最初の辞書に戻ってきた感がすごく投げやりだ(笑)
とはいえ、「新~」になって収録語数も1割増しだし、手に馴染んだ使い勝手も悪くないので、まいっか。 - アクセス独和辞典(三修社) 見出し語数54000語
サブ辞書といいつつ、実はあんまり使っていない。1999年3月発行。4,000円 - ドイツ語ポケット辞典(研究社) 見出し語数 独和30000語 和独3000語
2005年9月第2刷。2,600円。独和・和独の両用だし、カバンに入れておでかけするにはよさそーだ、と購入。……でも、俺、かなりインドア派なんだorz
しかも木村・相良も相当ハンディなので、本棚のこやし状態。
独和の使用頻度は、6年前より格段に低下しており、辞書の寿命も延びそうな感じ。これは、わたしの学力が飛躍的に向上したわけではなく、主にインターネットのおかげである。
いや、Google翻訳じゃないよ?(笑) Google検索、Wikipedia の他言語転送や、Wiktionary あたりは超便利。基本、独独ないし独英になるが、単語検索→さらに用例検索していけば、だいたい理解可能な文例があるものだ。前回話題にした Malessen とかも、そう。多少の手間はかかるが、実にありがたい。
他にも お世話になった(なっている)サイトはいくつかあるが、これはまた別の機会にでも。
そういえば、結局買い直してないなあw >独和大辞典(小学館)
《その他和書》
- ヴァーリヒ現代独独辞典(駿河台出版社)
1992年6月第2刷。6,500円。
いわゆる「ドイツの国語辞典」なので、意味というより、実態を理解するのによさそうと購入。便利は便利……だが、文字のポイントがめっさ小さいため、そろそろ読むのがたいへーん。
い、いや、乱視なんじゃよ。老眼ではない……はず。まだきっとたぶん。 - ドイツ語類語辞典(三修社)
1995年2月発行。9,500円。 - ドイツ語語源小辞典(同学社)
1995年3月第3版。2,800円。
類語・語源とも、微妙に用法が異なる複合動詞や分離動詞の探究に。
語源はマメ知識にしかならないかもしれないが、意外と楽しい。まあ、個人的には、白川静先生のまとめておられる、金印や甲骨文字に見る漢字の源とかのおもしろさには、ちとかなわないと思うけど。そのへんは、まあ漢字使ってる日本人だし(をひ - 羅和辞典(研究社)
1997年6月(第30刷)。4,700円。
ラテン語である。欧米じゃ素養があって当然なのかもしれないが、こちとら日本人だし。ローダンでたまに登場する、怪しいテクニカルタームがラテン語由来でも、どんな機能だかさっぱりわかんねーものなあ(汗)
この手の辞書で30刷ってすごいと思ったら、初版1952年、増補改訂版1966年だった。
余談だが、まさか、『テルマエ・ロマエ』とか漫画(映画)のタイトルでラテン語をどかーんと見る日がこようとはw - ロワイヤル・ポワッシュ仏和・和仏辞典(旺文社) 見出し語数70000語
2005年(2刷)。2,200円。
いわずと知れた、某放蕩息子が原因ではある。 - 翻訳語中心日本文化紹介小和独辞典(朝日出版社) 見出し語数2300語
2008年6月発行。2,300円。 - ドイツ・西欧ことわざ・名句小辞典(同学社)
1994年4月発行。2,800円。 - 図説ドイツ民俗学小辞典(同学社)
1986年6月再版。2,000円。
このあたりは、まあ、雑学だねえ。
《変わりダネ》
- おいしく食べて楽しいドイツ語(三修社)
2003年1月発行。1,400円。
辞書じゃないし、別にわたしゃドイツ料理とかもしないけどw
料理器具や調味料の名前とか、まとめておぼえられるよー(を
……そういや、工作員のコードネームを「砂糖」とか訳した御仁がおられたな……。 - ビール祭りで乾杯だ!(幻冬舎)
ヘタリア Axis Powers 旅の会話ブック ドイツ編。
2012年3月発行。1,000円。
『ヘタリア』本編は読んでないんだけど(笑)
随所に挿入される、ヘタリア4コマ(日独対訳つき)にそそられて、つい……。
いや、でも、ローダンばっか読んでると、日常会話とか身のまわりの品とか、そういったボキャはすこーんと抜けてるから……でも、日常か、これ?w > 4コマ - インデックス式ドイツ文法表(白水社)
2003年4月第10刷。1,500円。
昔の誤訳天国(ファンジン版)で書いたけど、第二外国語以降、文法の勉強ってちゃんとしたことないから……たまには……でも、あんま開いた形跡がないなorz
まあ、独和巻末には、たいてい必要最小限の文法は書いてあるけどねえ。冠詞の格変化とか接続法とか動詞の語尾変化とか。
《洋書》
うん。値札はがしちゃったら、いまさら購入価格とかわかんねえ(笑)
一部 Amazon で買ったやつは、履歴を探れば載ってるだろうけど……いいよね?w
- LEXIKON A-Z (DUDEN)
2001年発行。見出し語数45000語。卓上百科事典である。いろいろ便利。 - Das Herkunftswörterbuch (DUDEN)
1989年発行。語源辞典。 - Die sinn- und sachverwandten Wörter (DUDEN)
1997年発行。見出し語数82000語。類語辞典。 - Latenisch-Deutsch (DUDEN)
1986年発行。見出し語数30000語。羅独辞典。 - Die Geographhie (DUDEN)
1991年発行。地理辞典。 - Wörterbuch der Abkürzungen (DUDEN)
1999年発行。略語辞典。
ローダンの原書だと、おそらく意図的に、極力使用しない(まあUSOとかSolAb――太陽系秘密情報局――とか、ないことはない)のだろうが、一般には略語が超多いのである、ドイツ語。なので、ローダン以外を読むとき、非常に助かる。
『労働者階級の手にあるインターネット』は、これがなかったら訳せなかったかもしれない。 - Lexikon der bedrohtn Wörter (Rowohlt)
2005年発行。死語辞典……じゃないな。絶滅危惧語辞典、ドイツ語のレッドデータブックか。
まあ、ほとんど使われない言葉の辞典だから、翻訳にはさほど関係なさそうだが(笑) - LEXIKON DEUTSCH Kinder- und Jungendliteratur (Stark)
1998年発行。児童文学事典。 - MEYERS KLEINES LEXIKON Literatur (Meyers)
1986年発行。文学小辞典。 - Lexikon der Science Fiction Literatur (Heyne)
1988年発行。SF百科。
rlmdi.関連の話題でたまに取りあげるが、実にありがたい本。収録された内容は特にドイツに限定されないのだが、ドイツのSFヘフトとか追いかける身としては、シリーズ解説やタイトルリスト等、まさに宝の山。
これ、確か改訂版が出ているはずである。 - Lexikon der deutschsprächigen Krimi-Autoren (der Criminale)
2005年発行。ドイツ語圏犯罪小説作家レキシコン。
いや、だってツィークラー掲載されてるんだよ?(笑) - Lexikon der Fantasy-Literatur (Fantasy Productions)
1988年発行。ファンタジー文学レキシコン。
いや、だって(ry
出版元は、先頃までアトランのペーパーバック版シリーズを刊行していたファンプロである。
あと、Was ist was? (子ども向け図解百科事典)が1冊あったと思ったんだけどなー。でかくて取りまわしメンドイから処分しちゃったかなあ。人体各所の名称とか、ひと目でわかって便利だったんだけどな……。
……。
以上、まあ、『シンボル辞典』とか『神話・伝説辞典』の類は、辞書という観点から今回ははずしわたけだが。わたしが「辞書フェチ」を(やや自嘲をこめて)称するのも、故なきことではない。
#「持っていれば安心」なわけでもないのにね(笑)
費用対効果を考えると、役に立っているか疑問を禁じ得ない本も、相当数混じっているのは否めない。それでも、Every dog has his day. って言うじゃない? 『こんなこともあろうかと!』と、真田さんばりに叫べることも、それぞれの本に、ちゃんと1回くらいはあるのだ。(だれが聞いているわけでもないがw)
そもそも、辞書は「道具」である。使うべき時とところをまちがわないためには、道具をそろえただけでなく、使う側の研鑽も欠かせない。これら大量の「道具」は、はたして今後も、ちゃんと持ち主に使われてくれるだろうか。
ディスカッション
コメント一覧
> 余談だが、まさか、『テルマエ・ロマエ』とか漫画(映画)のタイトルでラテン語をどかーんと見る日がこようとはw
「魔法少女まどかマギカ」もタイトルにラテン語が使われていたかと(「マギカ (Magica) 」は、ラテン語で「魔法の」を意味する形容詞「magicus」の女性形……Wikipediaより)。
さらに余談ですが、同作品に登場する「ソウルジェム」=細胞活性装置では、と思ったりする今日この頃です(笑)。キュゥべえは集合生物のようだから”それ”(汗)。
あれ、こんな記事にさっそくコメントがついてる……って、そこかーいっ(笑)
そういや、あの番組はラテン語表記でしたな。PUELLA MAGI MADOKA MAGICAですもんね。誤訳らしいけどw
でも、ソウルジェムはベヘリットだと思うんだ……
※なお当方、「ボクと契約して~」と「マミられる」くらいしか存じません(をひ
他の辞書にないけどこれだと見つかる確率が高い辞書は岩波独和辞典ですかね、ただ普通の単語も少し違うのですが(^^;
ブログのよるとバルディオク翻訳者の辞書は独和大辞典一本のようです。1日あたり20回くらいしか辞書を引かないそうですから、頭の中に十分な知識をお持ちのようで、さすがです。
ご覧のとおり、岩波は持ってないですー。
ってか、ふと調べてみたら、高い高い、中古価格高いw
アレwは、適当に計算して、文庫1頁あたり平均4-5回という結論に。
まあ回数の多少は質に直結しないと思うけど、いかにも少ないっす。