ラスヴィッツ賞2012受賞作発表
5月8日付け、クルト・ラスヴィッツ賞公式サイトにおいて、2012年受賞作(2011年初版刊行物が対象)が発表された。
授賞式は6月23日、ライプツィヒで開催される第11回Elstercon(会期は22~24日)中にて執りおこなわれる。
今回もノミネート作をdinfoに丸投げしているので、一覧込みで。なお、括弧内の数字は得票ポイント。
■ 長編部門 Bester deutschsprachiger SF-Roman
1. Andreas Eschbach / Der Herr aller Dinge / 森羅万象の王 (152)
2. Karsten Kruschel / Galdäa – Der ungeschlagene Krieg
/ ガルデーア──終わらない戦争 (121)
3. Myra Çakan / Dreimal Proxima Centauri und zurück
/ プロクシマ・ケンタウリまで三往復 (114)
4. Thomas Elbel / Asylon / アサイロン (96)
5. Simon Urban / Plan D / D計画 (71)
6. Annette John / Deadline 24 / 死線24 (62)
7. Dieter W. Schmitt / Der graue Berg (Perlamith, Band 1)
/ 灰色山(ペルラミス第1巻) (46)
X. 該当作なし (26)
またもや、またしてものエシュバッハ(笑) もはや完全に指定席である。今回の作品は、主人公が日本人の少年とゆーこともあるし、どこかで訳出しないかねw
まあ、エシュバッハって、日本人ウケしづらい面もあるとは思うのだが……『火星計画』とかジュブナイルで出版していただきたいものである。
■ 短編部門 Beste deutschsprachige SF-Erzählung
1. Frank W. Haubold / Am Ende der Reise / 旅路の果て (60)
2. Gundula Sell / Der Grünspan / 緑青 (54)
2. Wolf Welling / Venezia Muore / ヴェニスに死す (54)
4. Heidrun Jänchen / In der Freihandelszone / 自由貿易地域にて (50)
4. Karsten Kruschel / Violets Verlies / ヴァイオレットの地下牢 (50)
6. Uwe Post & Uwe Hermann / Der Valentino-Exploit / ヴァレンチノ略取 (48)
7. Armin Rößler / Das Versprechen / 約束 (40)
8. Olaf Kemmler / Der Kuss der Deltafloride
/ デルタフローリドの接吻 (38)
9. Arno Endler / Tod eines Champions / あるチャンピオンの死 (37)
10. Nadine Boos / Emotio / エモシオ (30)
11. Ronny Rindler / Rachegötter / 復讐の神々 (26)
12. Karla Schmidt / Allein. Auf dem Wind. / ただひとり、風に乗り。 (24)
13. Sven Klöpping / Mein Freund, der Arkologiker
/ わが友、アーコロジカー (23)
14. Niklas Peinecke / 300 PS Intravenös
/ ホスファチジルセリン300mgの静脈注射 (16)
X. 該当作なし (4)
先般紹介した『エモシオ』収録作品は綺麗に中堅どころに集中してしまった。「約束」とか好きだったんだがなあ。とはいえ、得票ポイントを見ると、かなり票が割れており、何れ菖蒲か杜若、であったのかもしれない。
なお、前回見落としていたが、「ヴァレンチノ略取」の作家Uwe Post、昨年の長編部門の、例の宇宙探偵を書いた御仁であった。ある意味、納得(笑)
以下は、気づいた部門だけ取り上げる。
(サウンドドラマ部門は、まだ紛糾しているらしく、受賞作が決定していない)
■ アート部門 Beste Graphik zur SF
Alexander Preuss
──短篇集 Emotio (Rößler/Jänchen 編、Wurdack社)の装丁画に対して
そして、すっかり失念していたが、『エモシオ』、カバーイラストもノミネートされていたのだった。おめでとー(笑)
■ 特別賞・単発部門
Helmuth W. Mommers
──ウィーンにおける Villa Fantastica の創始と運営に対して
Villa Fantastica は主としてドイツ語の、SF、ファンタジー、ミステリー、ホラー、ファンタスチカやその二次創作物を集めた……閲覧・貸出……図書館的なもの?なのかな。他にも英語や日本語、欧米各国の言語の著作も収蔵されているとか。オーディオヴィジュアルやネット環境も完備されていて、朗読会等のイベント会場としてのレンタルもやっているみたい。
モンマースはオーストリア在住、アンソロジー『時間はだれも待ってくれない』巻頭を飾った「ハーベムス・パーパム(新教皇万歳)」の著者でもある。
■ 特別賞・長期部門
Hans Joachim Alpers
──生涯の業績に対して(追贈)
これは、もうしょうがないというか、ノミネートされた他の面々も実に錚々たる顔ぶれで、だれが受賞してもおかしくないのだが、昨年2月に亡くなったアルパース、「追贈」という意味で追随を許さなかったようだ。
■クルト・ラスヴィッツ賞公式サイト:www.kurd-lasswitz-preis.de
■Villa Fantastica公式サイト:www.villafantastica.com
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