319巻『カトロンの異人』
ハヤカワ版319巻『カトロンの異人』を読破中。著者は前半「カトロンの異人」がクナイフェル、後半「対抗策」がヴルチェク。訳者は渡辺広佐氏。
レイチャ継承をめぐる事件の最終段階、武力行使も辞さないマイチェタン率いる過激派の暴挙に、ローダンがナウパウムに隣接する(といっても1億光年以上離れている)カトロン銀河の元首を演じ、大衆をあっと言わせる前半。ある意味、ローダンのが外道な気もしないでもない……。
一方の後半は故郷銀河系が舞台。やることなすことうまくいかないアンドロ・ローダン。ナウパウムにいるオリジナル脳からのアクセス等もあって、ぶちきれる寸前。〈反それ〉のテコ入れ計画は、はたしてうまくいくのか……。
今月は正直、読むのが辛い。最初の段落からまちがってちゃ、しようがない話。「イリュージョンをうつしだすパネル」って、「何ごとも起こっていないかのような幻想(的な情景)が見えるガラス窓」じゃないか。単にイリュージョンとやって、その公園から手をふっている男とマイチェタンが会話するという、ファンタジーめいた展開をおかしいと思わないのだろうか。何の描写もないけどパネルには別のイリュージョンが投影されているんだよ、とでも言うのか。「晴れた空のように透明な窓を通して」のぞくという文章が「パネルごしに見る」になっているから、ある意味、確信犯である。誤訳云々以前に、ちゃんと原文読んでもらいたい。
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