360巻『ラスト・ホープ突入コマンド』読了
まず最初にお詫びから。先月分の項で、「来月から2ヵ月で3本エーヴェルス~」と書いたが、いざブツが出てみると、うち1本はハー・ゲーつながりのフランシスであった。手持ちのリストの間違いを放置したままだったわけで申し訳ない。閑話休題。
ハヤカワ版360巻『ラスト・ホープ突入コマンド』を、ちょい前に読了していた――のだが、なんというか、脱力系の内容にこれまた放置となっていた。前半「逃走ポイント、オヴァロンの惑星」が上述のとおり著者フランシス、後半「ラスト・ホープ突入コマンド」が著者エーヴェルス。訳者は林啓子さん。
前半は、前回、惑星オヴァロンから男狩りにきた(爆)女性4名のエピソードの続きかと思ったら、メインはブリーの「禊ぎ」話であった。しかし、なんというか、ほとんど「煮えたぎる油に放り込んで生きてたら魔女」なノリな気がしないでもない。よく生きてたなあブリー……。
正直、話の流れからもうひとりくらいアフィリカーの工作員がからんでくると踏んだのだけど。ぶっちゃけこれでソッパーがアフィリカーだったらすげえぜと(笑) まあ、ポルタ・パトにスパイがごろごろいるというエピソード自体が、ブリーの立場を良くするために(作者に)仕込まれた感があるし。さすがそこまで無茶はしないか。残念w
あと、ヴェナインがらみのエピソード(というか前回のつづき部分)は、なんとかならんのかアレ。「わたしは欲望の奴隷なんだ!」って……うまいこと言ってやったと思ってるのかキミ。あけすけすぎるのも考えもの。だいたい昨今はムッツリーニがウケるご時世だよん(爆)
#まあ、アレもむっつりというには……だが(^^;
後半は舞台を転じて銀河系、新アインシュタイン帝国のアトランたち。本来、725話「ギャラクティカーの同盟」へとつづく大同団結路線のとっかかりであるから、けっこういい話のはず……だが……。
注意:以下重度のネタバレ(笑)
オヴァロンに助けてぇと叫ぶためにダッカルカムがほしい→ラスト・ホープのとある場所にデータが隠してある→「ふっかつのじゅもんがちがいます」(爆)→敵に占拠された研究施設になら破損していないデータがあるかもあるはずあるにちがいないもーそう決まった→突撃(をひ)→ひょっこりあらわれたテラナーがデータの場所を実に詳細に知っていた→ヒュプノで情報ゲットだぜ!
あいかわらずぶっとんでるぜエーヴェルス……わたしゃポルナレフになった気分だよ……(AA略 あ、でも、「公会議に敵する者は、銀河諸種族の敵だ!」はいいやね。120年もたってるんだから、やっぱりそうでなきゃ(笑)
最後に恒例、今月のいちゃも……気になった箇所は、まあ「エレクトロン拡大部」とか、オヴァロンに活性装置あげたこと誰もおぼえてないのかとか、多々あるのだが。
まあ一番は「走れ走れを模したMVロボット」(p183)だろかなー。その前で「走れ走れ型ロボット」って言ってるのに。MVが走れ走れ(Marschiere-Viel)の略であることがわかる読者は、いくらなんでもそう多くあるまい。このままじゃ、そのうち出てくる(再登場する)分子変形能力者も、何の説明もなくMV、MVって呼ばれそうでこわいぞ。
(こちらは Molekülverformer の略で、タイトルにもたまに出る)
ディスカッション
コメント一覧
>オヴァロンに活性装置あげたこと誰もおぼえてないのか
「人類の恩人だからあげる」という趣旨で贈呈したのに、すっかり忘れ果て、「もうオヴァロンは死んでいるだろう事が前提」とは失礼にも程が・・・、また、ラストでアトランが「カピンはテラナーを援助する義務がある」と言っていますが、政権を取り返してあげた恩義は大群危機の時に返してもらったはずで、未だに助ける義務が有るんだとか言うのも図々しいなぁと。
>何の説明もなく
松谷先生も昔いきなり「ウレブ」とか出してましたから、可能性は大でしょう。そこまで細かく気にして訳しているとも思えないし・・・(失礼発言)
ペリーペディアでKNKの項目を見ておりましたら、下記のような記述が……レンズマンとか言ってはいかんのですな(汗)
“注: シリーズにおける多くの他の着想と同じく、KNKもカール・ヘルベルト・シェールの特務機関GWAシリーズに前身がある。34巻「違法化身」でKNKに似た拘束フィールド=ハイパースピード=構造分裂砲が、火星人最後の新開発として描かれている(用語解説、ペリー・ローダン 2012話/ペリー・ローダン 2036話 レポートNo.319)”
◆上山なつきさん
>レンズマンとか言ってはいかん
ブリタニア号とかQ砲とか思い浮かべながら読んでいたのですが、失礼しました~。
>特務機関GWAシリーズに前身がある。34巻
へっ? シリーズ? 日本では1冊しか出てなかったですよね? これも40~50冊くらい有ったりするんでしょうか。
> これも40~50冊くらい有ったりするんでしょうか。
全50巻のシリーズみたいです。ドイツ語版ウィキペディアによれば、“8巻からは、火星の忘れられた技術の発見後、地球外の危険とも戦うことになる。”とあります。
> これも40~50冊くらい有ったりするんでしょうか。
たまたま、ローダンの原書を中古でゆずってもらった中に1冊まぎれこんでいました。確か19話あたりだったように思います。冒頭をちらっと見ただけですが、1話の主人公のコンナートが出世して出ていました。