お武家様と一等地

メモ

Es ist dir gestattet, dich aufzurichten. /
苦しゅうない、おもてを上げい。

2500話から登場する周波王国の尖兵、クローン兵団ダルチュルカとこれを率いる周波トレーサー・シンナフォック。これがまた、なんというか……アレである。
直立不動のクローン兵士たち。その指揮官をにらんで、前へ、と告げる周波トレーサー。進み出たヴァオフォル-1は、片膝ついてホスト座り……もとい、跪いてこうべをたれる。
そこでシンナフォックの口にするセリフが、上記のもの。

動詞 gestatten は「許す、承知する」だが、場合によっては訳すのにえらく難儀する語である。302話 “Gestatten, Gucky und Sohn!” は、「失敬、グッキーと息子!」になるのかな、直訳だと(ハヤカワ版だと「失礼、グッキー親子!」)。イメージとしては、「はい、ちょっとごめんなさいよ……」くらいの意味なんだと思われ。ただ、今回はすなおに「許す」でOKだ(をひ

auf(zu)richten は、まさに「(頭、目を)上げる」なわけだが、dichがついて再帰動詞になっているので、この場合は「起き上がる、からだを起こす」が正しい。
したがって、上記セリフを直訳すれば、「立ってよろしい」くらいになるはずである。
ただし、こう言われたヴァオフォル-1自身は、ちょっぴり顔を上げる程度で、平伏したままなのは変わらない。なので、試訳でもいいんじゃあないかと思うんだ(笑)

……もっともローダンは時代劇じゃないので、不採用まちがいなしだがorz

Posted by psytoh