時間の井戸雑考

メモ

der Zeitbrunnen /
時間の井戸、時の泉

ハヤカワ版ローダンにおいては、カリブソがらみでのみ登場する時空移動手段。地面にぽっかり開いた黒い穴で、のぞきこむと、時折どこぞの風景が見えて、飛びこむとその場所(時間)へと移動が可能。
後には、これがコスモクラート技術(アルゴリアン技術)であり、プシ・ポテンシャル場を用いた、無限架橋と同種のものであることが判明する。地球や惑星バルコンなど、案外いたるところに井戸は存在するわけだが……。
まあ、そのへんはさておいて(爆)

井戸、という訳語は、正しい。rlmdi.を含むファンダムで通用してきた訳語・時の泉は、物質の泉(Materiequelle)と対比されていて、多少の誤解を招きかねない。
であるが、いまだになんとなく、釈然としない。たぶん、井戸というと、石づくりで、横には釣瓶が転がっていて、ひゅ~どろどろという擬音が似合いそうな気がするからだろう。もしくは、かっこーん(それは鹿威し)。実に個人的なイメージの貧困なわけで。
で、最近ふと思ったのが、あの《井戸》は、実はカレーズなんじゃないか、と。カレーズ(ないしカナート)は、井戸というよりは地下水路である。中近東あたりで、地下水を掘りあてた井戸から、横穴を掘って人工的に水脈をつくる……と書くと、また語弊があるよーな気もする。
ただ、そう考えると、時間の井戸同士がつながっているイメージがわいてくる……よーな気がするのだ(笑)

少々恥ずかしい昔話をすると、「物質の泉が material well で、時の泉は time spring かな~」とか考えたことがあるのだが。Quelle = well だと思ったわけ。しかし、むしろ井戸の方が time well になるみたい。英語版だと、物質の泉は matter source だし。井戸、泉、源泉。微妙なニュアンスのちがいって、やっぱりよくわかんない……。
なんでこんなこと書こうと思いたったかというと、ただ単に、『風の輪、時の和、砂の環』(神坂智子)を、ひさしぶりに読みたくなっただけのことなのだが(をい

Posted by psytoh