テラノヴァ・サイクル始動

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9/16に発売された2300話『混沌の先触れ』(フェルトホフ)から、新サイクル「テラノヴァ」がスタートした。これは同時に、2499話までつづくラージ・サイクル「平和ドライバー」の開幕でもある。

1344年2月、「銀河系復興会議」と銘打たれた銀河サミットが太陽系政庁で開催される。ハイパーインピーダンス・ショックにより文明が退行した現状を打破する、ヴェガで再発見された格子型転送機による銀河規模の転送ネットワーク構想を披露し、アルコン神聖帝国を含めて可能な限り広範な相互平和条約を締結しようと図るペリー・ローダン。
(余談だが、会議を実況するテラのローカルTV局はアルビオン3D――エクストラ2の『アンタレス礁』で登場したあの会社である)
しかし、会合直前にテラに顕現したモノクローム・ミュータントの〈ニュークリアス〉の使者ファウン・スズケは、混沌との一大決戦が近づいていることを警告する。ハンガイに〈負の球体〉が誕生しようとしており、これを確保せんとする混沌の勢力は、無限艦隊に匹敵する規模の終末戦隊〈反逆者〉を局部銀河群に派遣した。多元宇宙規模で展開される陽動作戦のため、秩序勢力の援軍はまったく見込めない状態。超知性体〈それ〉も、すでに活動を制限されているという。それでも……テラが、ソル星系が陥落してはならないのだと、ファウン・スズケは告げ、消滅した。
そして、まさに会合のまっただなかに、混沌の尖兵は姿をあらわしたのだ。演壇に立っていた第一テラナー、マウレンツィ・カーティスはエネルギー・ビームの一撃で絶命した。〈反逆者〉から派遣された混沌のアサシン、体長わずか20cmの「マイクロけだもの」たちが議場に潜入していたのだ。ハイブリッド脳〈老子〉をはじめ、太陽系政庁の技術設備の大半が脱落。血煙のなか、ローダンらはわずかな武器で応戦する。危急の報をうけたアルコン艦隊が政庁周辺空域を封鎖するにおよんで、不利を察したけだものたちは撤退するが、多くの貴重な人命が失われた。会議に出席していた2412名あまりのうち、生きのびたのはわずか800名余であった。
平和をもとめたサミットは、ボスティク皇帝の「用意を整えるがいい。これは戦争だ!」という皮肉な科白で閉幕する。そう、すでに戦争ははじまっていたのだ。ソル系近傍のどこかには、けだものたちの母艦、戦隊要塞《トレイコーン0098》が遊弋していた……。

というわけでスタートしたテラノヴァ・サイクル。〈反逆者〉がどんな組織か、《トレイコーン0098》を率いるデュアル・キャプテンが何者か等は、次回以降、潜入に成功したシガの大統領(笑)ご一行様が探り出してくれると思われる。第5版で現在、無限艦隊とエレメントの十戒が攻防中であるため、デュアル・キャプテン=カッツェンカット的な立場という予測も出ている。そういえば、「アイ・シャル・リターーーンっ」の断末魔を残して、帰ってこなかったなぁ、カッツェンカット(爆)
また、サイクル名であるテラノヴァは、ハンガイ到達を中間目的とした「テラノヴァ艦隊」に由来するようだ。最終的に〈負の球体〉の危機に対処するのが、今サイクルということなのだろうか。ここ数サイクル、ほいほい陥落していたソル星系が、今度ばかりは陥ちてはならないという設定も、なんとなくマガンの予測「〈負の球体〉の穴は、きっとアルケティムの死体で埋めるんスよ」が真実味をおびてきたような、そうでないような。

なにはともあれ、大キリ番2500話へむけた新サイクル。今後の展開に期待したい。

Posted by psytoh