訃報:アルント・ドレクスラー
Perry Rhodan公式Twitter(現X)の告知によると、ローダン・シリーズ表紙イラストを一部担当するイラストレーター、アルント・ドレクスラーが11月1日に急病のため亡くなったとのこと。
バイエルン州ホーフ生まれのドレクスラー、公式サイト紹介のキャッチフレーズが“ずっと宇宙船が好きだった。”なのだが、すでに3歳のときに『宇宙大作戦』に入れ込んで幼稚園の人形の家を司令ブリッジに見立てて遊んでいたというから筋金入りである。
フォルツ/ケルスナーの絵物語『時のかけら』に遭遇、ついで1100話「フロストルービン」からローダン読者となったドレクスラーは、すでにこのころから「SFイラストレーターになる」ことを決意していたらしい。
■『時のかけら』(Zeitsplitter):
フォルツのストーリーに感銘をうけたというアルフレート・ケルスナーのイラストが1980年のヴェルトコンで話題となり、実現した共作本。ローダン宇宙を背景にした「時のかけら」「すべての願いの目指すところ」「ある銀河戦争の勃発について」など18編の短編を収録。1981年のペーパーバックでの刊行後、1985年にハードカヴァー版が出ている。
1799話まで表紙イラストレーターを単独でつとめたジョニー・ブルックが1995年に交通事故で亡くなった際、後任を担ったのは上記アルフレート・ケルスナー、スヴェン・パーペンブロック、ウィリーの息子であるラルフ・フォルツの3名だった(ラルフは2004年まで)。
そして、2002年から加わったディルク・シュルツとともに、レギュラーで表紙イラストを担当していたのがドレクスラーである。シュルツはフェルトホフとの共作の実績から即正篇組に加わったが、ドレクスラーは2003年にまずATLAN青本(旧ATLANヘフトや歴史冒険譚の書籍化)23巻『黄金の女神』から参加。2004年から新ATLANヘフト表紙、正篇に到達したのは2007年刊行の2380話「太陽より来たる」だった(スポット参加なのか、公式サイトでは2704話からチームに)。
シュルツがローダンNEOの表紙も担当してあちらの“顔”であるように、ドレクスラーは正篇とその関連作――ローダン・ミニシリーズや、電子書籍化された惑星小説、ATLANポケットブック版やその書籍化(緑本)などを多く手がけ、正篇2800話、3000話、3200話も担当するなど、まちがいなくこちらもシリーズの“顔”のひとりだった。
ここで書くのはちょっとアレだが、“え、これローダンなんですか?”と少し話題になった3000話前後のローダンのイラストはドレクスラーである。ちょっと若めで、印象が異なる。まあ、イラストレーターがちがうんだから当然といえば当然w
ローダンに参加する以前には、他社のSF・ファンタジー系の作品、〈マッドラックス〉、〈ザモラ教授〉、〈ステルネンファウスト〉なども手がけており、Perrypedia以外にも略歴や作品リストなどが多数みつかる。
月曜日の告知以降、Twitterやブログ等で惜しむ声が引きもきらない。「私より10歳も若いのに。早すぎる」という投稿には実に同意。わしより4つも若いのに……。RIP。
■公式サイトNews:ARNDT DRECHSLER-ZAKRZEWSKI IST GESTORBEN
■公式サイトInfo:SCHON IMMER GERN RAUMSCHIFFE
■個人サイト:ARNDT DRECHSLER
■Perrypedia:Arndt Drechsler
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