島の王の復活
島の王サイクルは、おそらく現在でもシリーズ中一番の人気を誇るだろう。
その最大の敵役であったファクターIことミロナ・テティンも、くりかえし惑星小説や短編の題材に取りあげられている。アトランが殺したのは実はデュプロ説、死んだのはオリジナルだがいまでもデュプロ原盤が存在する説……。西暦2801年に銀河系の危機を救った自称アコンの工作員リモアンは、マイクロ状況転送機内蔵のスーツを身にまとい、拳銃サイズの武器で核火災をひきおこしたというが、その名は「ミロナ」のアナグラムかもしれない(惑星小説331巻)等々。
一方で、他のファクターの場合も、死んだはずが生きていたというパターンは、実はめちゃくちゃ多い(笑)
嚆矢となるのは、1973年に刊行されたATLANヘフトに登場した敵〈グレー〉の正体が、ミロナさんに叛逆して処刑されたファクターのひとり、コムデン・パルタンだったという例。近年では、カオターク・サイクル序盤から登場しているソインテ・アビルが、やはり処刑されたはずの旧ファクターVIIである。
d-informationのネタ出しに外伝をパラパラやると、おい、アラス伝説の医師MOって島の王かよwwwなんてケースもあったり。ふと思い立って、今回ちょっと簡単にまとめてみた。
初期 | 終期 | 名前 | 備考 | 死亡時期 | 関連話 |
I | -(*1) | アガイア・テティン | ルーム星系でハイパークリスタル〈創造の息吹〉を発見。 | 紀元前18000年頃死亡 | 惑星小説288巻 |
-(*1) | I | ミロナ・テティン | 母の死後、ひそかに権力を継ぐ | 西暦2406年死亡 | |
II | II | トリナル・モラト | 西暦2406年死亡 | ||
III | III | プロフト・メイヘト | マルティドン脱出後、銀河系へ。 | 西暦2909年死亡 | 記念号7巻 |
IV | -(*2) | ゼノ・コルチン | 装置破壊による肉体死亡後、精神はPEWメタルの彫像に宿る。 | 新銀河暦1552年死亡 | 2999話 |
V | V | ネヴィス・ラタン | 西暦2404年死亡 | ||
VI | -(*2) | アセト=ラドル | モビーの創造者。その内部で殲滅インパルスを遮蔽。銀河系でアラスに偽装して生活。 | 消息不明 | 外伝〈アラス毒〉 |
VII | -(*2) | ソインテ・アビル | 死を偽装した宇宙船の爆発が殲滅インパルスを遮蔽。カシオペア座矮小銀河へ避難。 | 《光力》を奪いコンドル銀河へ先行 | 3058話 |
VIII | VI | トゼル=バン | 西暦2404年、過去界で死亡 | ||
IX | -(*2) | バリム=ナントル | 殲滅インパルスで装置破壊。 | 紀元前7600年頃死亡 | |
X | IV | ミラス=エトリン | 西暦2405年死亡 | ||
XI | -(*2) | コリン=ウンス | 殲滅インパルスで装置破壊。 | 紀元前7600年頃死亡 | |
XII | VII | レグナル=オルトン | 西暦2404年死亡 | ||
XIII | -(*2) | コムデン=パルタン | 活性装置を他者へ移植、深層睡眠に。怪物〈グレー〉に変容。デュプロ疑惑有。 | 西暦2842年死亡 | ATLAN99話 |
番外 | セラロン・メロタ | 活性装置の設計者。エルミゴア、ミロナ・テティンの父。 | 消息不明 | 惑星小説288巻 トラヴェルサン12話 |
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番外 | エルミゴア | ミロナ・テティンの腹違いの姉。 | 西暦3460年死亡 | 683話 | |
番外 | ネルモ・デリム | パラレル・ワンダラーで活性装置14基を受領。 | 異時間線で非正規扱い | 1573話 |
*1) 紀元前18000年頃、活性装置をマルチデュプリケーターで複製しようとしたミロナの試みでアガイアの装置が爆発。責任転嫁されたセラロン・メロタは銀河系に逃亡する。
*2) 紀元前7600年頃、ファクターIの正体を怪しんだ〈6者会議〉の動きがアセト=ラドルの裏切りで発覚。活性装置を破壊する殲滅インパルスで処刑された。
処刑したはずが、生きてる方が多いじゃなーい。ミロナったらお茶目さん(笑)
というか、遺体が確認されてない以上、あとの2人もいつ復活するかわかったもんじゃないなこれ……。
そもそも、島の王の成り立ちと活性装置の由来については、諸説ある(例えば〈反それ〉が与えた、とか)中、1987年に惑星小説288巻『不死を鍛つ者』(テリド)が刊行され、特殊なハイパークリスタルを発見したレムール人による自力開発、とされた。
一方、1991年の1573話「時間展望」で、テフローダーのネルモ・デリムが14基の活性装置を〈それ〉の使者エラートに与えられ、適切な携行者を選ぶよう命じられる(場面を、ローダンらが目撃する)。最新が常に正なりなローダン・シリーズなので、混乱した〈それ〉がうっかり渡しちゃったということで設定が置き換えられた、と思ったのだが。
1998年刊行のATLANトラヴェルサンで、惑星トラヴェルサンにあった時間ステーションを、セラロン・メロタがアトランの前に使用していた云々で、また元に戻った(か、そもそも違う時間線の話と考えられていた)みたい。時間遡行して、恒星転送機をより早期に“発見”してカラホル(アンドロメダ)移民を進めたり、なんやかやしている。この時代はレヴィアン・パロンが時間遡行してレムール人の〈箱船〉を建造(外伝〈レムリア〉)したり、時間転送機大活躍である。そりゃ時間警察も攻めてくるわ(汗)
さらに、このセラロン・メロタだが、その後の消息がはっきりしない一方で、1万年前の〈銀河の謎〉設置にあたり、フェロルに格子型転送機を持ち込んだ人物であるとか、変な設定が盛られている。死して〈それ〉に吸収されたのか、それとも、いまでもどこかで怪しい活動していたり……(オイ
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