3099話「銀河系の子供たち」
制御を失ったカイラ人の巨大要塞〈星環〉が旧アルコン星系を包む〈鉛球〉へと引き寄せられ、破局の迫るM-13球状星団。カイラ人に叛逆したオプト(最適化コピー)=アトラン率いる贋《トーラ》へ突入したローダン、グッキー、ゼミナさんは囚われた本物のアトランを救出し、事態を打開できるのか!?
……という神話サイクル最終回、3099話「銀河系の子供たち」(ターナー)。
なんでテラ艦は球形なんだろう(ブリー)とか、トラムプを旅立ったのは正解だったかなあ(グッキー)とか、クーベルタンの唱えた「より早く、より高く、より強く」は現状に即してるだろうか(ローダン)とか、まるで関係ない(まあメタ的にどっかの国ではオリンピック開催するわけだが)ことを考えつつストーリーは進行する……いや、読む分には面白いんだけど(笑)
一方、“最適化され”たはずのオプト=アトランはやけに優柔不断で、アトランの孫娘にあたる小ヤスミンさんに怒られる始末。オリジナルには逃げられ、タイムパラドックスで《ラス・ツバイ》を破壊する時間魚雷作戦も失敗といいとこなし。
そして、ヤスミンさんがゼミナさんにつかまったあたりから話が急展開する。
記憶のすべてを取り戻したゼミナさんが贋《トーラ》ことゴーレムの指揮権を奪取。謎多きトランク〈パアウ〉を介して、テズ製活性装置を一時的にオプト=アトランへ移植することで騎士のオーラをコピー。それをゴーレムにまとわせて、“落下”する〈星環〉をアトプ導体の名残ともいえる〈鉛球〉を利用してダイオヴァースの片割れへと先導する機能を付与。
水先案内人として超知性体ハト=ハタンの残滓を宿したカイラ人のアイプ少年をリクルート。ゴーレム=スープラメンタムの演算能力の足りない部分を、電脳空間・真鍮スペースに意識体を転送した虚帝トルマナク率いる永遠の帝国のリソースが補って、みんなで安全なダイオヴァース第二肢へ発進ごー!
後には、あっけにとられたローダンら“銀河系の子供たち”と、元の姿を取り戻したアルコン星系が残されて、めでたしめでたし。
――なのかなあ。なんだか、故郷も仕えてきた超知性体も見捨てて逃げたカイラ人一派だけが目的をはたしたみたいで、すごく納得いかないんだけど(笑) でも情報収集能力が足りてないので、少なくとも、コスモクラートも超知性体もおらずとも、むやみと生命体を殺戮する超存在のいるダイオヴァースのあちら側に、明るい未来は待ってないと思うんだよね……。
銀河系も、500年の傷痕は深いと思うのだが。これで3100話で、ローダンはしれっとレムール同盟のコミッショナーとかやってるのかなぁ。
※2023/08/18 Twitterのスレッドに加筆訂正したものをブログに転載
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