惑星小説ポケットヘフト、打ち切りに
ローダン公式サイトでの発表によると、2009年から続いていた惑星小説ポケットヘフト版(NEOと同判型)が、2014年5月刊行の30巻『宇宙からのSOS』をもって打ち切られるとのこと。わりと急な決定だったのか、公式サイト内でもまだ31巻が“準備中”のままになっている。
同ポケットヘフト版は、近年のドイツ語新表記に対応したり、ローダン作家ヘーンゼルによって一部内容に手が入っていたりする、いわば「新装版」である。VPM版、Burgschmiedt版合わせて415巻ある惑星小説から任意の巻をピックアップしつつ刊行されていたわけだが、ぶっちゃけ、想定外に売れなくなった、らしい。
時代が時代だけに昔の本を再販しているだけでは苦しかろう……という以外に、個人的には、取りあげた巻の問題もあったのではないかと思う。後掲するタイトルリストを見てもらえばわかるが、400超あるうちの、後半……というか末期のものがほとんどなのだ。小シリーズになっているものの一部は、傘下の他社から合本出てたりするし、どうしても落穂拾いな感じがつきまとう。
あとは、うがった見方をすれば、「いま生きて書いてる作家の作品」でないと、印税が身内に入らないじゃなーい、なんてこともあるかもしれない。
上記のとおり、そもそもほぼ過去作の焼き直しなわけだが。一応、覚書的意味でまとめておく。
■タイトルリスト
※巻数表記は「ポケットヘフト/旧惑星小説」。タイトルが変更されている場合、旧題も併記した。
1/350. Hubert Haensel / Agent für Terra
テラの工作員
2/364. Robert Feldhoff / Die Show der Sterne (Die größte Show im Universum)
星々のショー (旧題:宇宙最大のショー)
3/349. Peter Terrid / Die Gottes-Maschine
神の機械
4/410. Arndt Ellmer / Griff nach der BASIS (Raumschiff zu verkaufen)
《バジス》をこの手に (旧題:宇宙船売ります)
5/385. Uwe Anton / Eisige Zukunft
氷結の未来
6/303. Robert Feldhoff / Im Zentrum der Nacht
夜の中心で
7/357. Susan Schwartz / Chandris Welt
チャンドリの世界
8/363. Hubert Haensel / Safari ins Ungewisse (Der Weltraum-Zoo)
未知へとつづくサファリ (旧題:宇宙動物園)
9/339. Peter Terrid / Die andere Seite des Todes
死の向こう側
10/191. Kurt Mahr / Geisterschiff CREST IV
幽霊船《クレストIV》
11/405. Achim Mehnert / Tod über Derogwanien (Rückkehr nach Derogwanien)
デログヴァニアを覆う死 (旧題:デログヴァニアへの帰還)
12/392. Uwe Anton / Tödliches Psychospiel (Psychospiel)
死の心理ゲーム (旧題:心理ゲーム)
13/368. Robert Feldhoff / Terra in Trance
テラ・イン・トランス
14/—. Michael Marcus Thurner / Der Killer von Terra (Mit den Augen des Mörders)
テラのキラー (ファン・エディション『殺し屋の目を通し』の改版)
15/288. Peter Terrid / Schmied der Unsterblichkeit
不死を鍛つ者
16/294. Peter Griese / Der lange Weg der SOL
《ソル》の長い道
17/289. Robert Feldhoff / Der Alpha-Asteroid
アルファ=アステロイド
18/403. Hubert Haensel / Tariga sehen und sterben
タリガを見ずして死すべからず
19/369. Peter Terrid / Das Aralon-Komplott
アラロンの陰謀
20/344. H. G. Francis / Der Club der Königinnen
女王たちのクラブ
21/367. Hans Kneifel / Altans Mörder
アトラン暗殺計画
22/397. Konrad Schaef / Duell in Terrania
テラニアの決闘
23/212. Peter Terrid / Expedition der Todgeweihten
死にさだめられた者たちの遠征隊
24/ 15. William Voltz / Ich, Rhodans Mo”rder
われ、ローダンを暗殺す
25/237. Hubert Haensel / Sechs flammende Sonnen
六つの燃える太陽
26/284. Kurt Mahr / Die Sirenen von Dhatabaar
ダタバールのシレーネ
27/373. Hans Kneifel / Deserteur der USO
USOの脱走兵
28/326. Arndt Ellmer / Ein Befehl für Hamiller
ハミラーへの指令
29/ 9. William Voltz / Invasion der Puppen
人形たちの侵略
30/—. Clark Darlton / SOS aus dem Weltall (Bonus Story: Der Flug nach Eden)
宇宙からのSOS (付録短篇:エデンへの飛行)
(以下は未刊行)
31/346. Robert Feldhoff / Die Ferrol-Dolche
フェロルの短剣
32/???.(不明)
33/185. H. G. Francis / Die Einmann-Operation
ワンマン・オペレーション
結果的に最終巻となった30巻『宇宙からのSOS』は、1967年に初公開された映画の“ノヴェライズ”。チケットのおまけか何かだったのか、その後書籍として再販されたことがないらしい。まあ、映画の評判がアレだし……w
しかし本作は、ダールトン御大による、ノヴェライズとゆーか、いかにもローダンらしく仕上がっているとの評。さらに、1975年にACEブック版のおまけとして発表され、79年にRhodan Magazinで“翻訳”が掲載された、ローダンがトーラにプロポーズするらしい(!)短篇まで併録である。まあ、幕切れとしては奇麗にしめた……のではなかろうか。
ディスカッション
コメント一覧
> ローダンがトーラにプロポーズするらしい(!)短篇まで併録である。
元祖ツンデレのトーラへのプロポーズはどんな風だったのか……これは読んでみたいですな(ジャングル惑星もの?)。
いまマガンに頼んで発注中でございます(笑)
ペリペのあらすじをチラ見すると、「新型ガゼルのテスト飛行で座標計算のトラブルが発生」「パラダイスみたいな惑星に不時着」「ほんとはプロポーズが目的」「ガゼルが飛ばないのは物見高い密航者のせい」とか……ダールトン先生、ぐっじょぶ! と言って、いいのか? これ?w
どうも、タイトルリストありがとうございます。惑星小説の焼き直しと思ってあまり注目していなかったのですが、14と30ぐらいは手に入れたいところですな。扶養家族に脛をかじられまくってそれどころではありませんが。(涙)
ふと思い立ってまとめただけのものですが、多少なりとお役に立てば重畳。
そっか、そろそろ上の学校(やだ、この言い方年寄りくさい……w)でしょうかねお子様。その点、ひとりものの気楽…さ……で……orz