肉だか草だか
Und alles Fleisch, es ist wie Gras. /
そして人は皆、草のようである。
Vergib mir. Und alles Fleisch, es ist wie Gras. /
わたしを許したまえ。そして、草のようなすべての人々を。
聖書、ペテロの第一の手紙からの引用。むりやり直訳すると「そしてすべての肉、それは草のようなもの。」
肉=人間は草のようで、その栄華は花のよう。そして花が散り、草が枯れるように、人の栄華も去り、生命尽きるときがくる――わけであるが。
作中では、ブラームスのドイツ・レクイエムを引いて、そこで用いられている上記の句を出し、クライマックスにおける主人公の祈りに結びつける。当初、「草のよーな人間……つーたら、“民草”ってやったった方が簡潔でわかりやすいのでわ」と考えたりもしたが、そうするとキリスト者の祈りであること(聖書の引用であること)が伝わらなくなってしまうかもしれない。ので、上記のようにそろえることにした。
ほんとは、all の修飾は単数なので、人々ってのもちょっとナニ。諸人、とかやった方がいいのかなあ。
■出典:カール・アルマー「楽園の灰」
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません