銀本92巻『《モドゥル》』
ハードカバー版で進行中のアフィリア・サイクルもいよいよ佳境。11月刊行の92巻『モドゥル』では、失われた地球を捜す《ソル》のローダンたちが、超知性体間の戦争にまきこまれる。
星のメイルストロームの転送特異点に消えたテラとメダイロン系。その手がかりを知るという超知性体テルムの女帝の依頼を果たすため、ローダンと《ソル》は《モドゥル》捜索の途につく。直径220キロの衛星を分割して造られた巨大な可動ステーション《モドゥル》は、女帝と〈バルディオク〉の勢力圏“力の球形体”のはざまの情報を収集していた。あるいはそこに、メダイロン系の座標データも存在するのではないか……?
罠にかかり大破墜落した《モドゥル》で回収されたデータ処理自律端末〈コンプ〉は、ひとつのポジション・データを示すが、それをめざす《ソル》は、予期に反して、女帝の“力の球形体”奥深くへとわけいっていく……。
銀本はヘフトを再編集したものだが、このあたりも話の順序の変更がかなり細かくなされている。
《ソル》のテラ捜索に先行して、《モドゥル》を母艦とする“探究者”のひとり、ドウク・ラングルが記憶を失いテラに漂着している(88巻、91巻)のはヘフトどおりだが、ラングルやアラスカ・シェーデレーアの結成したテラ・パトロールが侵略者(=バルディオクの化身クレルマク)と戦うエピソードが、まるまる次巻『テラとの別離』にまわされている模様。
#というか、769話はいらない子なのか……(哀)
92巻では〈コンプ〉や女帝の親衛隊種族チョールク人の抱くクリスタル等、テルムの女帝の正体にまつわるエピソードが一括しておさめられている。1冊おいた94巻『テルムの女帝』(のはず)まで、謎解きはおあずけというわけだ。
そして次巻『テラとの別離』は、上述のように、テラに侵攻するクレルマクとの戦い、そして銀河系でのラール人の逆襲、〈遺伝子コード破壊フィールド〉編が収録される予定(のはず)。
今回収録されたヘフトは以下のとおり:
788. Peter Terrid / 《モドゥル》をかける罠
789. H. G. Francis / ギャンブラーと異人たち
790. William Voltz / 《モドゥル》の秘密
791. Kurt Mahr / 〈コンプ〉とサイバネティシスト
796. Ernst Vlcek / クリスタルを抱く者
797. Hans Kneifel / 親衛隊の惑星
798. H. G. Francis / 黒いクリスタルの呪縛
■公式サイト:Band 92 Das MODUL
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