新・東欧SF傑作集(仮)つーから、文庫とばかり…

書籍・雑誌

情報公開OKがいただけたので~。
東京創元社から9月末刊行予定のアンソロジーに、拙訳『労働者階級の手にあるインターネット』(著:シュタインミュラー夫妻)が収録されることに。

正式なタイトルは、

  21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集
  『時間はだれも待ってくれない』
  ISBN:978-4-488-01339-4

編者は作家の高野史緒氏。
故・深見弾氏訳編の『ロシア・ソビエトSF傑作集(上・下)』(1979)、『東欧SF傑作集(上・下)』 (1980)の流れで、約30年ぶりの集成というから、てっきり文庫だと勝手に理解していたのだが。創元社のサイトが更新されて初めて知った、四六判上製本で価格が2,500円+消費税(笑)

今回収録されるのは、アンゲラ&カールハインツ・シュタインミュラー夫妻(Angela und Karlheinz Steinmüller)著の『労働者階級の手にあるインターネット』(Das Internetz in den Händen der Arbeiterklasse)で、2005年に版権を得て、rlmdi.から翻訳・出版したもの。
その後、マガンがSF大会にて、パネリストとして招かれていた識名章喜教授とお会いした際に、上記の本を謹呈したとは聞いていた。どうやらこれをご記憶いただいていたらしく、今回オーストリア作品を担当された教授から「旧東ドイツの作品として、どうだろう」と推薦して下さったという。誠に有り難いお話である。

『労働者階級の~』は、2004年度のクルト・ラスヴィッツ賞短篇部門の第2席(同年の受賞作もシュタインミュラー夫妻の「タイムトラベルの前に」)。統一から7年後のドイツを舞台に、西側になじんだかに見えたある研究者の現実が、一通の電子メールから大きくゆらぐさまを描く。
――という内容も、偶然、今回のアンソロジーのテーマに合致したようだ。
残念ながら、同人版ではお遊びかたがた、大量につけまくった注釈が、(ある意味当然のことだがw)紙数と全体とのバランスの関係で、一部しか使用できなかった。興味を持たれた方は、ぜひrlmdi.版もよろしく(笑)

なお、東欧編にひきつづき、年内にはロシア編の刊行も予定されているとのことが、こちらも含めて、収録作品等の詳細な情報は、まだ当方にも未着である。創元サイトの続報をお待ちいただきたい。

■東京創元社:時間はだれも待ってくれない (在庫切れ)
■rlmdi.:紹介ページ 労働者階級の手にあるインターネット (リンク切れ)
■epilog.de:ALIEN CONTACT 56 Das Internetz in den Händen der Arbeiterklasse
(オンラインマガジンに全文を掲載) (リンク切れ)
■編者のサイト:高野史緒 架空の王国

Posted by psytoh