訃報:クルト・ルイフ

作家情報

クルト・ルイフ (Kurt Luif)
1942.05.14 – 2012.04.21

……そしてまた訃報である。ローダン編集部のブログやウィキペディア等によると、ウィーン在住の作家、クルト・ルイフが21日、長い闘病生活のすえ心不全のため死去したとのこと。享年69歳。

多くのペンネームをもつルイフだが、rlmdi.の熱心な読者の方々には、『デーモンキラー』のニール・ダヴェンポート(Neal Davenport)といえば、ああ、と頷かれる向きもあるだろう。ウィーン生まれウィーン育ちで、やはりオーストリア在住だった故エルンスト・ヴルチェクの盟友である。

1967年、最初に発表された小説がユートピア・ヘフト(SF叢書)中の『鎖につながれた人類』(Claus Hartmann名義)で、以後、様々なペンネームで、ヘフトや大衆紙上にて中篇150以上、短編200以上を発表している。ジャンルも、SF、ミステリ、ホラー、ファンタジー等、ヘフト作家にありがちだが多岐にわたる。
代表的なものは、やはりデーモンキラー及び、その後継であった『魔女の鉄槌』(ヴァンパイア・ホラー・ヘフト内シリーズ)、フレダーマウス・クリミナル(蝙蝠スリラー、とでも訳すのか)シリーズ等が挙げられる。それ以外にも、『コミサールX』や『ミュトール』などにもゲスト的に数編執筆していたりする。ローダン作家におけるPerrypediaの著作一覧のような便利なものが見あたらないので、全容を把握するのも一苦労である。

今回、特記しておきたいことは、クラウス・フリックのブログにあった、「70年代には、ローダンの日本におけるライセンス契約をとりもち、これは現在まで継続している」という一文。ここは、ありがとう、ルイフ! と言っておくべきだろう、シリーズの一読者としては。

■Wikipedia (独):Kurt Luif

Posted by psytoh