ドイツSF大賞2012年ノミネート作発表
5月14日付け、ドイツSF大賞の公式サイトにて、2012年度のノミネート作品が公表された。
対象作品は、2011年に初版が刊行された、ドイツ語圏オリジナルのSF。授賞式は7月21日、キールで開催されるドイツSFクラブの年次大会(UrlaubsCon und Meer)にて執り行われる。
ノミネート作品は以下のとおり:
■長編部門 Kategorie Bester deutschsprachiger Roman:
Andreas Eschbach / Herr aller Dinge / 森羅万象の王 (Gustav-Lübbe-Verlag)
Charlotte Kerner / Jane Reloaded / ジェーン・リローデッド (Beltz & Gelberg)
Karsten Kruschel / Galdäa – Der ungeschlagene Krieg
/ ガルデーア――終わらない戦争 (Wurdack Verlag)
Michael Marrak / Black Prophecy: Gambit / ブラック・プロフェシー:ギャンビット (Panini)
Simon Urban / Plan D / D計画 (Schöffling & Co.)
意外にラスヴィッツ賞とカブってないようだ。
ミハエル・マラクの作品は、オンライン・ゲームのノヴェライズである。Black Prophecy はスペースコンバットMMORPG(4Gamersより)。
西暦2588年、第二次ディアスポラから400年を経て、人類は深宇宙へと進出していた。だが、厳しい環境に適応するため生み出されたホモ・スペリオルが創造主に叛旗をひるがえし、結果、ホモ・サピエンスはすでに日陰の存在となっている。一方スペリオルも、サイボーグ化したティイと、バイオ技術で自らを強化したジーナイドの二勢力に分かれ、互いに競うように版図を拡大していた。ところが、宇宙進出より数百年、すでにありえないと目されつつあった事態が生じた。人類以外の知性体、人類より古い文明〈修復者〉との遭遇、そして熾烈な殲滅戦の勃発である……。
という舞台背景で、プレイヤーはティイかジーナイドのいずれかに所属し、宇宙戦闘機を駆ってドンパチをくりひろげる……みたい。上記4Gamersの紹介記事が2009年の4月。ゲームの公式サイトでは「Episode3 Rise of the Boids」が昨年末から開始されている模様。
おっと、SFオンラインゲームと聞いてついつい筆が走ってしまった(笑) ゲームは所詮、遊んでみないとわからないものだし。たとえゲームがおもしろくても、ノヴェライズがおもしろいとは限らないし。とはいえ、マラクだし、おもしろいんだろなぁ、たぶん。
#なんかアニセーちゃんみたいな文章になったしー(を ※dinfo参照w
■短編部門 Beste deutschsprachige Kurzgeschichte
Nadine Boos / Kryophil / クリオフィル (収録:space rocks)
Holger Eckardt / Das letzte Taxi / 最後のタクシー (収録:NOVA 18)
Frank W. Haubold / Das Paradies des Jägers / ハンターの楽園 (収録:space rocks)
Florian Heller / Das Ende der Party / パーティの幕切れ (収録:NOVA 18)
Nina Horvath / Die Duftorgel / 芳香オルガン (収録:Prototypen)
Heidrun Jänchen / In der Freihandelszone / 自由貿易地域にて (収録:Emotio)
Ernst-Eberhard Manski / Zeitlupenwiederholung / スローモーションでもう一度 (収録:Emotio)
Uwe Post / Träumen Bossgegner von nackten Elfen? / ボスキャラは裸のエルフの夢をみるか? (収録:Prototypen)
Karla Schmidt / Auf dem Wind. Allein. / ただひとり。風に乗り。 (収録:space rocks)
収録短編集詳細:
・space rocks: Harald Giersche編, Begedia Verlag
・Prototypen: Harald Giersche編, Begedia Verlag
・Emotio: Armin Rößler und Heidrun Jänchen編, Wurdack Verlag
・NOVA 18: Ronald M. Hahn, Michael K. Iwoleit, Frank Hebben編, Nova-Verlag
一方の短編部門、ラスヴィッツ賞で上位を占めたExodus勢がいない……。代わりに、短編集『プロトタイプ』と『スペース・ロック』が大躍進である。うーん、Amazon.jpで購入可能かにゃあ……。
■ドイツSF大賞公式サイト:www.dsfp.de
■Black Prophecy公式サイト:blackprophecy.com (リンク切れ)
※5/19 Manski作短編の仮題を修正。
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