訃報:ミハエル・H・ブーフホルツ

NEO, 作家情報

ミハエル・H・ブーフホルツ (Michael H. Buchholz)
1957.03.12 – 2017.03.06

公式サイトによると、ローダンNEOの草案チームのひとりミハエル・H・ブーフホルツが、3月6日、闘病生活の末、死去したとのこと。享年59歳。

ハノーヴァー生まれのブーフホルツがSFと出会ったのは10歳の頃。当時、本放送が始まったばかりのドイツ初のSFTVシリーズ『宇宙パトロール(宇宙船オライオン)』に夢中になったらしい。そして、これをノヴェライズしたハンス・クナイフェルがローダン作家であったあたりから、シリーズとの縁が(やや遠回りして)つながったみたい。

90年代にはリュディガー・シェーファーらと共にアトランのファンシリーズ(全23話)を執筆。ATLANヘフト完結(打切)に我慢ならず、“その後”のアトランの物語を自らひねり出したわけである。フェネルゾーン銀河を舞台に、コスモクラートが脅威とみなす謎の《ゴーア》をめぐる冒険は、後に書籍化もされている。
その後は、自己啓発本を書いたり、故郷ハノーヴァーに創設した団体でセミナーを開いたりしていたようだ。

2004年にATLANミニシリーズ〈オブシディアン〉で第11話を、翌年〈ダークスター〉で第7話を担当。2007年にはポケットブック版ATLANのルデュン三部作完結編『8日間の永遠(Acht Tage Ewigkeit)』を執筆している。
そして、若干の期間をおいて、2015年の89巻『豹のチャト(Tschato, der Panther)』からローダンNEOの作家チームの一員となり、2割程度を担当しつつ、101巻からは僚友シェーファーと共に草案作家を務めていた(NEO第2期、と呼称される)。

ぶっちゃけ、前任ボルシュが“やりすぎ”て事実上解任された後を両名はうまくひきしめ、立て直した感がある。ただし、別記事のコメント欄でも書いたが、現在のNEOは、ローダンの登場人物とガジェットを用いたまったく別の物語となっている。そのへんは賛否両論あるだろうが、ともあれ新サイクル〈メテオラ〉がはじまった(かつ、日本での翻訳プランが公表された)ばかりのところで、NEOは重要な舵取りを失った。今後どのような対応が取られるか、心配なものだ。

■公式サイト:Michael H. Buchholz ist verstorben
■公式サイト:Michael H. Buchholz
■Wikipedia:Michael H. Buchholz

Posted by psytoh