NEO第4期、開幕は〈太陽系連邦〉
5月14日に発売の200巻「ガラスの男(Mann aus Glas)」からローダンNEOは第4期に入る。その最初のシュタッフェル(200巻~209巻)は〈太陽系連邦(Die Solare Union)〉。
従来(第2期以降)のローダンNEOはxx1~x10巻の10冊単位でシュタッフェルが構成されていた。これを旧ヘフトと同様にxx0巻~xx9巻の形式に変更したのは、まあ、「200巻だよ! 第4期だよ! まったく新しいストーリーだからご新規さんにも最適だよ!」というキャンペーンのため、としか思えない。
帳尻合わせで全9巻となったシュタッフェル〈けだもの〉において、シリーズ初期からの諸々の謎に答えを出し、大きな区切りとして第4期の開幕と相成ったわけであるが……。
新シュタッフェルの開始は西暦2082年4月12日。
植民惑星オリンプの代表アンソン・アーガイリスの招待を受けたローダンは、《マゼラン》でふたご座のカストル星系を皮切りにコロニー周遊の旅をスタートする――というのが序盤の展開らしい。他にプロフォスの名も挙がっている。
199話が2058年なので、時間ジャンプは24年。その時間でテラフォーミングを行い、植民し、複数のコロニーからなる連邦(Terra Unionがテラ連合なので、太陽系連合と訳すべきかもしれない)をつくりあげ……と考えると、ちょっとどーなのという気がしないでもない。まあ、トレード・シティが人口40万というから、建設途上と言えるかもしれないが。
メインの読者層がヘフト版とは異なるそうだし、ここまでストーリーを別モノにするならもうちょい考えてほしいところ。固有名詞だけ使い回しを続けるのは、「ローダン・ブランド」を名乗り続けるためかもしれないが、少なくとも旧ヘフト版の読者には違和感ばかりが増していく気がする。
ちなみにカストル系オリンプの代表、原語はObmann。まあ、英語でいえばchairmanくらいの意味らしいのだが、これ、ヘフト版におけるイラーティオ・ホンドロの称号と同じである。植民星系の代表、という意味なのかもしれない。ヘフトでは、他の種族でもたまに使用されているみたい。
※4/18追記:続報に惑星イマルトも出てきたけど、やっぱりObmannですねー。そして、しちゃうんだ、遺伝子操作……。
■公式News:MIT DER STAFFEL »DIE SOLARE UNION« BEGINNT EIN KOMPLETT NEUER HANDLUNGSBOGEN
■公式News:RUNDREISE IN EINE NEUE ZEIT
ディスカッション
コメント一覧
オリジナルのシリーズでテラナーが初期に入植した世界というと、プロフォスの他シガ、エルトルス、エプサル等色々あると思いますしNEOでも登場するのでしょうが、なぜオリンプなのでしょうね(赤色矮星ボシックの星の惑星、というオリジナルの設定を変更してまで……)。
ココログ、リニューアルから1ヵ月が経過しようというのに、いまだによーわからん状態で(^^;;; コメントOK(自動承認)なんですが、「強制的に最新情報に更新する」まで、うちのブラウザでも表示されませんでした。お手数おかけしましたm(__)m
オリンプ出てきても、王様詐称の放蕩息子が登場するわけではありませんしねえ(笑)
いきなりアーガイリス参上ということは、ラヴリー・ボシックという人物自体がなかったことなわけで……惑星小説の紹介とか見てると、けっこうおもしろい御仁みたいなんですが。残念。
環境適応人という設定は、ゲノムをいじることが法的・倫理的にまずかろうな現状では、ちょっと取り入れるのが難しいような気もしますが……エプサル人の艦長もエルトルス人のUSOスペシャリストもいないローダン宇宙は寂しいですよね。
#まあ現状、USO無理ですけどね!w
クラシックの方でも、これからは1サイクルを10冊単位にすれば話がぐっと引き締まってよろしいのではないか。
いきなり極論に走ってしまいましたが、現状行ったり来たりするだけのお使いクエスト、水戸黄門クエスト、情報を小出しにくれるというだけの村の入口に立っている的新キャラといったスペオペ的ワクドキに欠ける部分をばっさり削ると、近年のサイクルの中身は本来あるべき尺はそんなものかな、と…
ただ、3003話の水戸黄門クエスト「永遠人の三頭支配者」は、「情報の独占と操作によって閉鎖的な環境で寡頭的独裁体制を布く」という、いつものローダン世界あるあるな設定と見せかけておいて、実はマールさんの「ポスト核惑星イザン」、さらには完璧超人始祖・零式もといシェール御大の『地底のエリート』『地底都市の圧制者』といった「原点」へのオマージュになっていることに不覚にも心を動かされました。いやもちろん意図したオマージュじゃないかもですが。
寄り道クエストをやたらに挟むのなら、こういうのでもいいから、もっと本筋から大胆に離れたワクドキ豊かなお話をやっていただきたい…第三課レヴェルの質のが欲しいとか今さら言いませんので…
要するに、いまの草案チームは「情報を隠すこと」が緊迫感を生む、と考えているので、話がまわりくどいんですよね。
マガンと話していて、「なぜソル系偵察を敢行しない」「なぜまっすぐエフェレゴンへ向かわない」というのと、あれです、「別に搭載艇は1隻じゃないし、活性装置もってないメンツで偵察隊組めばいいじゃないの」と。
どれも、シェールだったらまっさきに全部やって失敗したら手を変え品を変えてリトライ、フォルツだったらそれぞれで異なる情報の断片が出てきて、合流してはじめて手がかりになったりしたんだと思うんですよ。
「隠す」方に熱心なあまり、うまく小出しにできない。勢い、穴埋めにしか見えない話が増えていく……や、実際に読めば各話々々はちゃんとおもしろかったりするんですけどね。
神話サイクル、地球が神話扱いという以外に神話要素が全然ないんですが、3050話からまた異銀河遠征が待っているそうなので、下手すると前半はずっとこんな感じでひっぱるのかなあ……。