クルト・ラスヴィッツ賞2018受賞作リスト

ドイツSF

令和になったから、何が変わるとゆーわけでもないのだが。諸々放置してるものを、多少なりと整理しておきたい。
まずは、すでに今年のノミネート作も公開されているが、昨年のラスヴィッツ賞受賞作及び投票結果の一覧を。これ、獲得票数がわかるので、できるだけ記録を残しておきたい。
#無論、公式サイトを参照すればよいのだけど。

長編部門 Bester deutschsprachiger SF-Roman:

1. Michael Marrak / Der Kanon mechanischer Seelen / 機械の魂のカノン (90)
2. Claudia Kern / Divided States of America / アメリカ分州国 (69)
3. Dirk van den Boom / Die Welten der Skiir / スキイルの世界 (66)
4. Andreas Brandhorst / Das Erwachen / 覚醒 (65)
5. Kai Meyer / Die Krone der Sterne / 星の王冠 (61)
6. Marc-Uwe Kling / QualityLand / クオリティ・ランド (55)
7. Uwe Post / Walpar Tonnraffir und die Ursuppe mit extra Chili
      / ヴァルパー・トンラッフィルと激辛チリ入り原始のスープ (46)
8. Doron Rabinovici / Die Außerirdischen / 異星人 (42)
9. Jens Lubbadeh / Neanderthal / ネアンデルタール (40)
10. Matthias Oden / Junktown / ジャンクタウン (38)
11. Uwe Hermann / Versuchsreihe 13 – Die Epidemie / テストシリーズ13――疫病
X. 該当作なし (8)
投票者55名

マラクはファンタスティーク大賞も受賞した『ロード・ガンマ』(2001)、クトゥルー物の『イマゴン』(2003)に次ぐ3回目の受賞。けっこう多作な人なのだが、『モルフォジェネシス』(2005)同様、個人的に冒頭のとっつきが悪くて積ん読になってるんだよな…… >カノン

ファン・デン・ブームの『スキイルの世界』は、元首政・保護領・父権者の三部作をまとめてのノミネートだった。

ウーヴェ・ヘルマンは短編とのダブルノミネートだったが、こちらは振るわず。

短編部門 Beste deutschsprachige SF-Erzählung:

1. Uwe Hermann / Das Internet der Dinge / モノのインターネット (91)
2. Uwe Hermann / Der Raum zwischen den Worten / 言葉の狭間 (84)
3. Jacqueline Montemurri / Störfall / 事故 (63)
4. Monika Niehaus / Ein halbes Dutzend Eier / 半ダースの卵 (56)
5. Nikolaj Kohler / Protoplasma mit Hut / 帽子をかぶった原プラズマ (52)
6. Ernst Wegbreiter / Die größte Reise / 最も偉大な旅 (50)
7. Melanie Vogltanz / PET / PET (44)
8. Frank Lauenroth / Omega 4 / オメガ4 (24)
9. Oliver Koch / Ans Tageslicht / 白日のもとに (10)
X. 該当作なし (5)
※投票者46名

受賞作は台所の家電たちがご主人様の危機に立ちあがる佳作……といっていいのかな(笑) ヘルマンは最近各賞の短編部門でよく名前が挙がるが、栄冠を勝ち取ったのは、たぶんはじめて。科学雑誌への掲載後、現在は全文が作者サイトで公開されている。短いので、興味がおありの方は是非。

国外作品部門 Bestes ausländisches Werk zur SF:

1. Nnedi Okorafor / Das Buch des Phönix / The Book of Phoenix
      / 不死鳥の書 (96)

2. Connie Willis / Dunkelheit/Licht / Blackout/All Clear
      / ブラックアウト/オール・クリア (92)
3. Maja Lunde / Die Geschichte der Bienen / Bienes historie / 蜂の歴史 (91)
4. Jeff VanderMeer / Borne / Borne / ボーン (67)
5. Ian McDonald / Luna – Wolfsmond / Luna: Wolf Moon / ルナ:狼月 (64)
6. Omar El Akkad / American War / American War / アメリカ戦争 (52)
7. Pierre Bordage / Die Sphären / Les dames blanches / 白い女 (40)
X. 該当作なし (0)
※投票者47名

ネディ・オコラフォはナイジェリアと二重国籍を持つアメリカ人女性作家。『不死鳥の書』は処女長編『死を怖れるもの』の続編。
マヤ・ルンデはノルウェーの作家・脚本家。
マクドナルドの『ルナ・狼月』はルナ三部作の2作目。
オマール・エル・アッカドはエジプト生まれ、カナダ在住。
ピエール・ボダージュはフランスの作家。
こーして見ると、多様な国から翻訳がなされているのがわかる。

■KLP公式:Kurt Laßwitz Preis
■Uwe Hermann:Kurze Geschichiten

Posted by psytoh