《マゼラン》の植民星周遊
ローダンNEOの200巻『ガラスの男(Mann aus Glas)』が(Kindle版が先行して)発売になり、第4期の最初のシュタッフェル〈太陽系連邦〉がスタートした。
で、前回の紹介記事でまちがえたままほったらかしてたところを、いまのうちに訂正しておきたい。
まず、新シュタッフェルが2082年スタートと書いたが、2088年の誤り。
2082年は、舞台紹介のため公式コラムに連載された「コロニー周遊(Rundreise zu den Kolonien)」の時点だった。200話のアバンが2088年になっているので、気づいてはいたのだが……下記をまとめるのが面倒で(ry 手間取ったので訂正が遅れた。
惑星オリンプ代表アンソン・アーガイリスの招待を契機に、主立ったコロニーをローダンとトーラ(と、アーガイリス)が《マゼラン》で挨拶回りするこの企画、登場したのは以下の惑星である:
恒星 | 距離 | 惑星 | 代表*1 |
---|---|---|---|
カストル | 51光年 | オリンプ | アンソン・アーガイリス |
カノープス | 310光年 | イマルト | アジャドル・ピルム |
フォーマルハウト | 25光年 | シガ | セリム・フーロス |
アルゴル | 90光年 | ルマル | クルマル・ラブコブ |
アルタイル | 17光年 | エプサル | ノエラニ・モアナ |
アークトゥルス | 37光年 | エルトルス | アルムート・クライト |
カペラ | 43光年 | プロフォス | ネレ・スコフガールト*2 |
(*1) 代表の原語はObmann、女性の場合はObfrau
(*2) 前任者の逃亡による代行
ずいぶんこぢんまりしたものだ。『光世紀の世界』とか思い出したわ^^;
これ以外にも、中国ブロックが入植した星系とかいくつかあるらしいが……おい、あんだけずたぼろにされて、まだ国家のしがらみ残ってんのか(まあ、国家とゆーか同系の民族でかたまって、みたいだが)。
なお、プロフォスの代表イラーティオ・ホンドロは汚職と殺人が明るみに出たため、ローダンが到着する直前にスペースジェットで逐電している(笑)
それにしても……どうやら主に、リドゥーリ(メメター)の時代の恒星転送機(“旧街道”)があった星系を中心に入植しているっぽいのだが、重力2Gのエプサル、3.4Gのエルトルスに遺伝子操作による強化人間で植民しているのはともかく、恒星の熱量を有効利用するため細胞に葉緑素配合(イマルト)とか、食糧事情がよろしくないので体を小さくするためフローレス原人の遺伝子を混ぜ混ぜした(シガ)とか、科学者の倫理的にどーなの……。
合間々々に、自由商人が勃興していてアーガイリスを“皇帝”呼ばわりだとか、ルマルで産出するルマリウムは、ホンドロが密売に手を染めたゲミンガ・クリスタルを除けば最高品質の震動クォーツであるとか、ホイッスラー社が一大コンツェルンに成長しているとか、テラの秘密情報組織がGHOST(なんの略称かは不明)であるとか、小ネタを挟んでいて、ガラスの男といえばメルコシュだし、今度の下敷きはカピン・サイクルかなぁ?と思わせたりもする。のだが。
追記:どっかで見たと思ったら、あった。安全と信頼のための汎人類組織(General Human Organization of Security and Trust)、略してGHOST。181巻で出てたようだ……にしても、かなり無理くりだなw
〈アンドロス〉をクレアヴァースに封印してめでたしめでたし(ただしテュイレ・シタレーは道連れ)で第3期が大団円を迎えて30年。周遊時点では24年だが、テンポ早くないか? 特に“皇帝”とか(笑)
#ま、ヘフト版でもアンドロメダ戦争から30年かw >自由商人
そして、200巻をちらちら見ると、メルコシュが出てくるのはもちろんだが、前述の逃亡したホンドロがどーした、ナイク・キントがどーした、ジェシカとロナルドのテケナー姉弟とか、なんかすごいことになってるみたい……。主にキャラ的に。
トム(トーマス)とファロクのローダン家少年部隊が無事一線級に育っているのは喜ばしいかぎりだが。ナタリーちゃんが艦名になっているのが気になります(爆)
上記の植民星系リストといい、ヘフト版と同時に読むと混乱する一方なのが困ったものだよなぁ……。
■公式コラム:RUNDREISE ZU DEN KOLONIEN – TEIL 6 (最終回)
ディスカッション
コメント一覧
『光世紀の世界』……懐かしいですなぁ。地球の数倍程度の質量を持つスーパーアースが現実に(もっと遠い恒星の周りで)見つかっているのですから、何も近くて明るい恒星の周りに設定しなくてもとは思うのですが、昔のスペオペの雰囲気を出したかったのでしょうか。
> 〈アンドロス〉をクレアヴァースに
NEOではローリンがこのクレアヴァース出身で、アインシュタイン空間では透明とか、オリジナルシリーズの最初の頃の設定を復活させたようになっているのですか?
ペリペディアを見ると、ヘフト版の初期植民星は、当時地球ポジションが秘匿されていた関係上、あえて太陽系から遠い場所に築かれた、となっています。近場の入植は連合帝国の解体後になったとか。
その縛りがないNEOでは比較的近いところを選択するのも納得ですが、惑星軌道が変則的になりそうな連星系とか、変光星とか、将来だいじょうぶなんじゃろか……(汗)
NEO版ローリン(ナイール)、透明なのはクレアヴァースから通常宇宙へ移動した関連でそーゆー進化をした、らしく……実態は、杭状の身体に触手っぽい腕、とか、ヘフト版後期の形態になっています。
一応〈同盟〉所属ということになっていますが、初登場時からアトランが転移したテティサー(NEO版テフローダー)の艦を攻撃していたり、立ち位置が微妙です。あげく、後にはネーサンの口車に乗せられて、ソル系防衛戦力になってたみたいですし……(笑)
最後、クレアたちは巨大なハビタットでこの宇宙へ逃げ出したようですが、ローリンどうなったのかにゃあ(おい
あ、あと書き忘れましたが、ヘフト版では銀河のかくれんぼの時代でも旅客船とかあったわけですが(「ドルーフ艦隊襲来!」)、NEOの場合、そーゆー下地もなし。
ヘフト版の入植後数百年を経て(連合帝国の時代)から独立の画策(プロフォス)がはじまり、その後に通称勢力が伸張(自由商人)という流れを、ぜんぶNEOは30年で実装しようとしています。
いきなり個人所有の商船団とか、無理じゃないの? と思うんですがね^^: