ソルセル=2、発進!!(主砲は撃たない)
6月14日(Kindle版は13日)に、ミニシリーズ〈ミッション・ソル〉の第1話「宇宙船の墓(Das Raumschiffgrab)」が発売となった。
シリーズは隔週刊で全12話。草案は第1話の担当でもあるカイ・ヒルト。
ヘフト本編では2499話を最後に、未知のミッションへと旅立ち消息を絶った伝説の巨船《ソル》。当時の草案作家であったフェルトホフの急死にともない、おそらく多くの腹案が日の目を見ることなく消えていったと思われる。
そして、おもむろに発表された〈ミッション・ソル〉の舞台は、
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ホカン・タサトは、息子テムの手をひき走っていた。
家もうしなった。妻も娘も、〈センの慎ましき奉仕者の神殿〉に姿を消した。おそらく二度と会うことはあるまい。
なにもかも、あのいまいましいペリー・ローダンのせいだ!
悪態をつこうとしたそのとき、〈漂着者の谷〉の大地を猛烈な震動が襲った。
谷の両端は巨大なドーム状の岩山……〈神殿〉で、いまタサトが逃げてきたのは西側の〈奉仕者の神殿〉からであった。岸壁から崩れ落ちる石くれから息子をかばいつつ、ようやくたどりついた集落でも、人々が異変に怯えていた。
そして、タサトは見た。遠く東側、〈禁断の神殿〉の岩山が弾け飛ぶのを。浮かびあがる黄金の球体。中心をとりまくリングの下に白い文字が――SOL。
……というプロローグで開幕した第1話。
インターコスモを話す人々が住む、外界と隔絶した全長8キロ・深さ4キロの〈漂着者の谷〉。東西両側には高さ1000メートルを越えるドーム状の岩山がそびえているというから、なんかもう数字を見ただけで、読者的には《ソル》が埋まっていることは確定事項な気がw
#実際は、ちょっとちがった。
治癒士であるマーリア・メイユンは、人里離れた日の差さぬ薬草畑に収穫へ赴いた際、意識をうしない倒れている男を発見する。しかも、“よそ者”である!
当然のごとく、それはペリー・ローダンなわけだが。新銀河暦1552年8月22日、グッキーのテレポートで〈ショドの鏡〉をくぐり抜けたローダンがしばし錯乱したのは2998話を読んだ読者さんにはご存じのとおり。しかし……。
銀河系より広大な空間を占める巨大な漏斗――その先はどんどんと細まり分子・原子より小さな穴となり……そのチューブの中、無限にひきのばされ、どこかへ運ばれていく。そんな奇妙な体験を経て、見知らぬ惑星に出現したローダン。4日間も昏々と眠りつづけたあげく、目をさますと、
「4日……! なんだか、3日以内に阻止しなきゃいけないことがあった気がする……っ!」
おいおい(笑)
住民たちは、この隔絶した谷で180年近くをすごしているらしい。科学知識はほとんど失われ、中世末期か近世程度の暮らし向き。唯一、〈センの慎ましき奉仕者の神殿〉がもたらす、メドストの治癒の秘法だけは医療ロボットらしきものの存在を示唆している。メドスト――
紆余曲折のすえ〈センの慎ましき奉仕者の神殿〉に連行されたローダンは、そこがソルセル=1であることを確認する。デーリアン反応炉の起動に成功したローダンだったが、エネルギー事情が変わって人々が〈神殿〉に従わなくなることを危惧する奉仕者たちと対立関係となってしまう。
だが、奉仕者たちのなかにも、人々の暮らしが向上することを善しとする者もおり、ひそかにローダンを援助してくれる。
司祭〈クゥム〉との交渉は最終的に決裂するが、最後にフードを脱いだ〈クゥム〉を見て、ローダンは谷の集落の人々が《ソル》乗員の末裔であることをあらためて確信する。黒髪、白い肌、赤い瞳――そこにローダンは、テス・クミシャとジャキンタのベンジャメーンの面影を見たのだった……。
ローダンらを捕縛する部隊を撹乱し、転送機を起動――一行はソルセル=2へと逃走する。
なぜ、ソルセル2隻が地中に埋められていたのか。ソル本船はどこにあるのか。そして……タレ=シャルム遠征の指揮をとっていたはずの、マイクル・レジナルド・ローダンはどこへいったのか。
謎は多い。だが、必ず解き明かしてみせる――。
……ということで、岩山をぶちぬいて浮上するソルセル=2へと続く。
単独行動はソルセル=2の御家芸だと思っていたが、消息知れずは今回、本船の方であった。
ちなみにマーリアさんはローダンと行動を共にしており、旦那であるホカン・タサトとは仲がこじれている(爆) 同じく神殿に収監されていた息子と娘を、こちらについた、顔見知りの奉仕者が助けてくれる手はずになっていたのだが、なぜか息子だけ助けてパパは逃走中なのだったwww
#シリーズ終了までに、ちゃんとヨリは戻せるだろうか。
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