遅ればせながら314巻
いまさらの感があるが、314巻『マクツァドシュの地獄』の話。著者は前半「マクツァドシュの地獄」がヴルチェク、後半「サイナック・ハンター」がフォルツ。訳者は渡辺広佐氏。
ナウパウム銀河最大の帝国ナウパウム・レイチャトの元首後継者ヘルタモシュを陰謀から救ったローダン/ハクチュイテンは、レイチャトの首都惑星レイトへ到着。さっそく政争に巻きこまれる。惑星人口が300億以上という、首星でありながら壮絶な状況はナウパウム銀河全体にひろがる人口過剰問題の縮図なのだろうが、わりかし唐突な感じがする。そういえば、わたしが子どものころの地球総人口は45億くらいだったはず。現在は60億を突破しており、21世紀末には100億を超えるといわれるが、こっちはだいじょぶか?
一方の後半では、惑星ヤアンツァルが舞台。消息をたったサイナック脳の運命をさぐるため、サイナック・ハンターであるユーロク脳トリトレーアが肉体をあたえられ、投入される。太古ナウパウムを支配した種族最後の生き残りであるトリトレーアは、おそるべき洞察力でサイナック脳=ローダンのシュプールをたどりはじめる……。
トリトレーア、そしてノクのユーロク組が参入して、これで脳オデッセイ編の主要登場人物はおおかた出そろったといえる。これからが本番、なのかなあ?(笑)
以下は余談:ユーロクのトリトレーアだが、原語はTorytrae。ファンダムではトリュトラエの訳語で通ってきた。ハンドブックではトリトレーだったと思うが、なんで最後の「ア」がプラスされたのかは不明。
また、141頁に「このトゥールトとも呼ばれる種族が」とあるが、これは追加説明で、原文にはない。151頁にいきなり登場するものを補足したもので、それ自体は何の問題もない。ただ、これ、ほんとうに種族の別名なのかは、実ははっきりしない。ドイツのファン・サイトでも種族名に挙げているものもあるので、まちがいとは言えないが、レキシコンでは「トゥールトとして絶大な権限を有する」と、役職っぽい表現がされている程度。個人的には、ナウパロないしユーロクの言語で「ハンター」を意味するのではないかと推測する次第。
#ぶっちゃけ、フォルツがちゃんと説明していないため意味不明のままのようなので、種族の別称で通せば何の問題もないのである……重箱の隅ツツキで申し訳ない。
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