ローダン・ヘフトのストーリー

 

ローダン・ヘフトのストーリーを語ることは、そのままサイクルの解説ともいえる。さらにはサイクルの連鎖による大枠(公式のアウトラインのような)を考察することにもつながるのだが、ここでは単純に各サイクルのさわりと(主観的な)キーパースンをまとめてみた。
章末の「関連ストーリー集/スピンオフ」は、必ずしもrlmdi.での出版物に限定せず、公式や本国のファン出版なども混在している。ややまぎらわしいので今後どうなるかは不明。

ただし、旧〈無限架橋〉の再録が中心なので、多くは工事中のままである。
一部訳語については、ハヤカワ版を採用していない場合もある。適宜脳内変換してもらいたい(笑)

 1. 第三勢力 / Die Dritte Macht

1-49話 / 西暦1971-1984年
地球、金星、ヴェガ星系、M-13球状星団、ベテルギュース星系にて

主な登場人物

  • ペリー・ローダン……最初の“テラナー”
  • ツォルトラル家のトーラ……アルコン帝国探検船《アエトロン》船長、皇帝の姪
  • ツォルトラル家のクレスト……アルコン帝国大評議会の頭脳
  • トミゼンコフ……東ブロック将軍
  • クリフォード・モンタニー……“オーヴァヘッド”、私設ミュータント部隊を率いるヒュプノ
  • エツタク……銀河商人スプリンガーの有力な族長
  • トプトル……スプリンガーの戦争屋・超重族
  • 〈大調整官〉……アルコン摂政、大帝国の実験を握った巨大ポジトロニクス
  • 〈彼〉または〈それ〉……永遠の生命の星ワンダラーの超存在

ストーリー

1971年(!)、人類最初の月面着陸に成功した《スターダスト》司令、USスペースフォースのペリー・ローダン少佐は、不時着していたアルコン帝国の宇宙船を発見。銀河文明の超技術を入手したローダンは、冷戦状態にある東・西・亜の三大ブロックいずれにもこれを渡すことを拒み、ゴビ砂漠に〈第三勢力〉の樹立を宣言する。
“統一テラ”の理想に共鳴し、ゴビ砂漠に集うつわものたち。
皮肉にも“共通の敵”の前に手を結んだ三大ブロックの度重なる攻勢を、アルコン技術と、超能力者を結集した〈ミュータント部隊〉の力で翻弄しつつ、ローダンは地球人――〈テラナー〉として星々へと歩みだす日をめざし、首都ギャラクト・シティの建設を開始する。

一方、三大ブロックによって破壊されたアルコン船の救難信号を聞きつけ、頽廃したアルコンの支配を脱した有象無象の異星人たちが地球にその食指を伸ばしつつあった。精神寄生体IVs、トカゲ人間トプシダー、そして銀河通商を独占する宇宙商人スプリンガーと超重族の大艦隊……。思わぬ“外圧”に、統一テラ政府への機運が高まる一方で、人類の中からも、金星に残された旧アルコン植民地の遺産を独占しようと東ブロック政府が暴走したり、ローダンに倣ってミュータントを狩り集め、権力を握ろうとする〈オーヴァヘッド〉のような人物があらわれたりもする。
あまたの危機をのりこえつつ、ローダンたちは不時着したアルコン船の目標であった“永遠の生命の星”探索に乗り出し、時間と空間をまたにかけた冒険の末、人工惑星ワンダラーを発見する。
そして、そこから銀河の文明を観察し興じている超存在〈それ〉の試験に合格し、62年の延命措置である〈細胞シャワー〉の使用許可を得た。それは同時に、「大宇宙を継ぐ2万年のチャンス」のはじまりをも意味していた。

やがて、球状星団M-13のアルコン中枢にまで進出したテラナーたちは、退廃しきった大帝国が、その管理を巨大ロボット脳にゆだねたことを知る。
冷徹な論理のみで思考するアルコン摂政は、いまなお若く活力に満ちた地球からの種族を、帝国維持に不可欠な同盟者であると同時に、潜在的に最大の敵と認識した。
ここでもまた、危険な綱渡りがはじまろうとしている……。

Posted by psytoh