ローダン・ヘフトのストーリー
18. クロノフォシル/ヴィーロノート / Die Chronofossilen/Die Vironauten
1200-1299話 / 新銀河暦427-430年
局部銀河群、深淵の地、そしてエスタルトゥ十二銀河にて
主な登場人物
- ペリー・ローダン……テラナーは過去自らの生み出した“歴史の化石”を遍歴する
- アトラン、ジェン・サリク、テングリ・レトス……騎士たちは“空間の下なる空間”で時空エンジニアを探す
- レジナルド・ブル……最初の〈ヴィーロノート〉のひとり
- ジュリアン・ティフラー……第一テラナーは辞任して〈英雄の学舎〉に入学する
- カッツェンカット……指導のエレメント、ザルレンゴルトのゼロドリーマー
- ヴァウペルティア……〈負の球体〉の支配者、自称カオターク
- ムーサン……影のロード
- ミュゼルヒン……時空エンジニア
- ダオ・リン・ヘイ……カルタン人、《マスラ》プロテクター
- ソト・タル・ケル(ストーカー)……超知性体エスタルトゥの使節、〈警告者〉
- イジャルコル……ジオン・ゾム銀河の〈永遠の戦士〉
- エスタルトゥ……おとめ座銀河団に力の集合体をかまえる超知性体、〈第三の道〉の信奉者
ストーリー
究極の謎は、道しるべにすぎなかった――その第一たる“フロストルービン”は、第二たる真の“無限アルマダ”の構成要素。宇宙をつらぬく二重螺旋〈モラル・コード〉を修復するため、ローダンはオルドバンが遺した大艦隊をひきつれ、過去みずからが局部銀河群に築いたポジティヴな“歴史の化石”――クロノフォシルを経めぐる。アンドロメダ、マゼラン星雲、二百の太陽の星、銀河系イーストサイド……そして、テラ!
モラル・コードの瑕疵から生まれた〈負の球体〉を力の源とする〈エレメントの主〉は、カッツェンカットをはじめとする〈エレメントの十戒〉をもって、クロノフォシルの活性化、ひいては宇宙遺伝子の修復を阻まんとする。そして投入される最終兵器〈暗黒のエレメント〉。“物理法則の欠如”そのものたる闇に包まれた太陽系の命運は。
また、時をおなじくして銀河系には謎の〈警告者〉があらわれていた。その“海賊放送アケロン”は、秩序にも混沌にも未来はないと警告する。そして云う――“第三の道”を選ぶのだ!
一方、アトラン、サリク、テングリ・レトスら三名の深淵の騎士は、かつてトリークレ=9が脱落した“空間の下なる空間”、宇宙を包むn次元層〈深淵〉において、太古にコスモヌクレオチドの代替物をつくる使命を与えられた〈時空エンジニア〉を捜していた。だが、直径1光年の広大な〈深淵の地〉に彼らの姿はない――大計画は予想だにしない形で失敗し、円板世界は謎の〈影の感化力〉に侵蝕されつつあった。影のロードたちは、フロストルービンの帰還を告げるコスモクラートの斥候の到来を、おのが支配基盤をおびやかすものとして騎士たちと敵対する。アトランたちは影の進撃に圧倒されつつ、消えた時空エンジニアのシュプールをたどるが……。
そして、最後のクロノフォシルが活性化されたとき、ペリー・ローダンはコスモヌクレオチドの礎石たる〈創造の山〉に立つ――一介の人間にすぎない彼の前に、第三の謎の回答がしめされるが!?
さらに、クロノフォシル活性化にともなうギャラクティカー意識のめばえと同時に点火された“遥かな焦がれ”に突き動かされ、あまたの人々が技術の奇跡〈ヴィールス船〉で旅立つ。その多くは、〈警告者〉ストーカーが語った“第三の道”を信奉する楽園、おとめ座十二銀河に力の集合体をかまえる超知性体エスタルトゥの銀河をめざした。だが、そこは楽土などではなかった。
かの地を統治する〈永遠の戦士〉たちがつかさどるのは〈永久紛争〉の哲学。ヴィーロノートとして十二銀河を訪れたブルやテケナーらは、この不自然なまでに弱肉強食の世界の謎をたどり、エスタルトゥへといたる道を歩んでいく……。
◆関連ストーリー集『エスタルトゥへの道』