ローダン・ヘフトのストーリー
25. アインディ / Die Ayindi
1700-1799話 / 新銀河暦1216-1218年
局部銀河群、ヴォイド、そして死の曠野たるアレズムにて
主な登場人物
- ペリー・ローダン……ヴォイド遠征隊司令
- ジオ・シェレムドク……新任のLFTコミッショナー
- ティマーソン・ゲンダー……火星に出現した謎の男
- タンクスビーチのペルマノッチ……200万年前の深淵の騎士
- ハロルド・ナイマン……元《バジス》艦長
- エスカー・ハロール……ハンザ・スペシャリスト、通称ハリー
- アブルーセ……アレズムを侵蝕するネガティヴ生命
ストーリー
ラージサイクル「宇宙最大の謎」の第3部。
パレズムとアレズム……宇宙は表裏一体のメビウスの輪。
そして、裏宇宙アレズムを侵食する未知の力〈アブルーセ〉。生物・機械を問わず、すべてのものに死をもたらすクリスタル〈スノーフレイク〉を放つ、謎の存在。
モイラの母種族アインディは、数百万年以上にわたって絶望的な戦いを展開してきたが、クリスタルの支配する“死のゾーン”は着々とひろがりつづけていた。
暗黒惑星カロンの扉を開いてアレズムへと到達したローダンたちは、200万年前のヴォイド大戦の真相を知る。
超絶な戦闘力を誇るアインディといえど、アブルーセの死の波動の前にはなすすべをもたない。彼女たちは共闘者を求めて宇宙表裏の障壁を切りひらいた。だが、アインディをむかえたのは、敵意に満ちたタンクストゥーンラ同盟の種族たちと、深淵の騎士団の強固な防壁……そして、無慈悲な物理法則であった。
宇宙表裏の障壁を越えたものは、50日以上生きることはできない! 勇猛なアインディたちは、ここでもなすすべなく死んでいった……。
そしていま、パレズムからの来訪者が……! 当初の誤解から死のゾーンへと転落したギャラクティカーたちは、パレズムの住人がアブルーセの死の波動に対して免疫をもつことを知った。そして、活性装置所持者は50日を超えてもアレズムで生き延びられることを。
すなわち、死のゾーン深く侵入してアブルーセと戦えるのは、パレズムから来た十数名の不死者のみなのだ!
一方、故郷銀河では、思いもよらぬ事態が生じていた。火星に飛来したクリスタル……それはアブルーセのスノーフレイクのかけら!
LFTの全権委員に任命されたジオ・シェレムドクや科学者ボリス・ジアンコフは、火星にもまた200万年前アインディの築いた「扉」が存在していたことを知る。
ストレンジネスの障壁を越え転極した結晶体は、周囲に死を蔓延させながら成長を開始した。このままでは、火星を覆いつくしたクリスタルの波動は、やがて近隣の惑星さえもその圏内にとらえるだろう。
まもなく火星との合の時をむかえようとしている、隣接する惑星……テラを!
太陽系で絶望のカウントダウンが進むなか、アレズムではローダンらの孤独な戦いがはじまっていた。
他の何者も立ち入れぬ、広漠たる死のゾーン。そのいずこともしれぬ場所にいる、アブルーセの手がかりを求めて……。