ローダン・ヘフトのストーリー
32. トラドム帝国 / Das Reich Tradom
2100-2199話 / 新銀河暦1311年-1312年
銀河系、トラドム銀河、〈光の帝国〉、ヴァッサーマル銀河、そして〈最初のトレゴン〉にて
主な登場人物
- ペリー・ローダン……テラナーは“戦乱の世紀”がもたらす新たな侵略者に立ち向かう
- アトラン……トレゴンの足跡をたどる《ソル》司令
- アラスカ・シェーデレーア……彼はふたたび“マスクマン”となる
- ジム・ノーヴェンバー……若きエモシオ航法士実習生、《ジュルネ》パイロット、そして――
- アスカリ・ダ・ヴィヴォ……アルコン艦隊の女提督
- トラー・ローグ、トラー・ゼブク……トラドム帝国の〈征服士〉
- 〈理性の宗主〉……トラドム帝国を統べる〈理性の異端審問〉の頂点
- サンブリ・ユラ……コスモクラートの協力者
- 〈トレゴン〉……〈最初のトレゴン〉をうち立てた超知性体
ストーリー
ラージサイクル「トレゴン」の最終アンダーサイクル。
新銀河歴1311年、自由テラナー連盟とアルコン神聖帝国の国境地帯、くりかえし紛争の舞台となってきたハヨク散開星団で新たな事件が起こる。未知の巨大な円盤船4隻が、謎の〈星界の窓〉を開いたのだ。出現した双胴艦(カタマー)はソル系に針路をとった。そして、着陸した搭載艇から現われた〈征服士〉トラー・ローグは、〈トラドム帝国〉によるテラの領有を宣言する。
トラドム帝国は、およそ4億光年離れた銀河を本拠とする〈トレゴン〉だという。しかし、他銀河の種族を奴隷としか見ないトラー・ローグとの交渉は決裂。わずか数隻のカタマー艦にテラ側は大きな損害を被るも、征服士を逃走させた。トラドムに関する情報を求めて、ペリー・ローダンは〈星界の窓〉を越えることを決断。旗艦《レイフ・エーリクソン》と、同行を主張するアルコン提督アスカリの《カーリボ》のわずか2隻で、4億光年を結ぶ超技術の〈窓〉を突破する。
トラドム帝国の過酷な支配を目の当たりにし、抵抗の意志をいっそう固めるテラナーたち。まもなくかれらは、帝国と〈理性の異端審問〉に対する抵抗者の存在を知る。〈廃墟帝国〉を名乗るエルタン人は、その所在をいっさい明かさない。だが、銀河系征服艦隊を阻止するため、〈星界の窓〉を転極して一方通行にするほどの技術を有しているらしい。 〈窓〉の封鎖は、同時にまた《エーリクソン》の帰還をも妨げる。〈異端審問〉の派遣した〈クインターサの怪物〉らと交戦しつつ、ローダンは廃墟帝国のシュプールをたどる……。
一方、ドムラト銀河を出立した《ソル》は7億光年の彼方にあるヴァッサーマル銀河にようやく到着しようとしていた。銀河外縁部を護る〈ヴァッサーマルの守護霊〉に認められ、〈汎銀河統計者〉たちの世界ザバル・アルダランへの立入を許されたアトランたち。
だが、《ソル》を離れ、アトランら数名がザバル・アルダランを訪れたとき、警報が響きわたる。ギャラクティカーたちには知るよしもない。ヴァッサーマルことアキムザバル銀河を統治する9名の〈戦士公〉のひとりが、おのが名誉を守るため、他のすべてを犠牲にして、ザバル・アルダランにその艦隊をさしむけてきたのだ!
◆関連スピンオフ:ペリー・ローダン=アンドロメダ
サイクル中盤、モノクローム・ミュータントの精神集合体から救難信号を受けたローダンが追跡巡洋艦《ジュルネ》でアンドロメダへ急行し、〈黄色い王〉――かつてセガフレンドー銀河を侵略した超知性体ク・ウーガルのなれの果て――によって封鎖された島宇宙を解放するエピソード。〈理性の異端審問〉の正体につながる伏線でもある。