ローダン・ヘフトのストーリー
33. 星海 / Der Sternenozean
ヘフト2200-2299話 / 新銀河暦1331-1333年
ソル系、ハヨク星団、星海ジャモンディ、星海アルフォニー、そして大マゼラン星雲にて
主な登場人物
- ペリー・ローダン、アトラン……ふたりは〈ジャモンディの星海〉に漂着する
- アスカリ・ダ・ヴィヴォ……アルコン艦隊の女提督
- カンティラン……ローダンとアスカリの間に生まれた息子
- ロルケーテ……〈放浪者〉こと最後のショズ人
- ゼフィダ……モタナ族の娘、後にモタナを束ねる〈恒星女王〉
- リレッセア……〈霊歩哨〉
- タグ=カルザーニ……背信の守護者
- イアント・レトックス……キブ=トラケ
- ゴン=オルボン……“6次元の宝玉”を狙う謎の存在
ストーリー
アウトライン「平和ドライバー」の第1部。
新銀河歴1331年、超空間インピーダンスと呼ばれる現象が顕在化する。あらゆる五次元テクノロジーの効率が激減しつつあった。頻度と強度を増すハイパー嵐と相まって、星間交通・コミュニケーションは悪化の一途をたどり、ローダンは、コスモクラート・ヒスモームの告げた「生命に対する負荷」を想起・懸念する。
そんなおり、またしてもハヨク星団において事件が発生する。何もない場所に、突如出現する星々――〈それ〉の使者ロト・ケレーテは、それを〈ジャモンディの星海〉と呼んだ。メタル・マンにいざなわれ、ローダンとアトランは、いまなおその大半が超空間泡に閉ざされた〈星海〉へとむかうが、クエリオン技術の船も難破。未知文明のただなか、ふたりは帰還の手段をもとめて放浪する。
一方、通常宇宙では、超空間インピーダンスの急激な増大のため、宇宙航行すらままならぬ状態に陥っていた。社会不安から台頭した新興宗派ゴン=オルボン教団は、テロによって科学文明復興の道をはばみ、滅びを説く。調査にあたったモンドラ・ダイヤモンドらは、教団の神ゴン=オルボンの背後に、教徒を感化するぶきみな超常的力を感じとる。
また、アルコンとの間で緊張が高まる中、ハヨクで調査を進めるテラナーたちは、〈星海〉が太古〈それ〉によって封印されたことを知る。超知性体すら脅かしかねない存在が大マゼラン星雲から侵攻し、ハヨクと、そしてもう一ヵ所で激戦をくりひろげていたというのだ。そして、〈6次元の宝玉〉であるソルからエネルギーを抽出する存在がいることが判明するにおよんで、レジナルド・ブルは極秘遠征を組織する。
ソルから伸びる6次元ジェットもまた、大マゼラン星雲を指しているのだ。インピーダンスの猛威の中、10数万光年の距離はあまりに遠い……。しかし、太古の危機と現在の脅威の間に何らかの因果関係があることは確実。その源ゴン=オルボンは、大マゼラン星雲――太古の別名、アムリンガル――にいるにちがいなかった。
〈星海〉のローダンたちは、圧制を敷くサイバー種族キブと、虐げられるヒューマノイド種族モタナに遭遇。モタナ族のゼフィダや最後のショズ人ロルケーテを仲間に加え、この世界の歴史を知っていく。
まだ銀河系がアマンドゥルと呼ばれていた昔、ジャモンディの星海には、平和を護る〈ジャモンディの守護団〉が置かれていた。しかし、ある守護者の叛逆によって平和は破られ、星団自体が封印されるにいたった。善なる守護者は滅び去ったが、その補佐たる〈歩哨〉たちはいまもどこかで眠りつづけているという……。
惑星バイカル・ケインで〈霊歩哨〉リレッセアをめざめさせたローダンは、700万年の過去に起こったできごとと、さらなる背景を知る。当時〈それ〉とネガティヴ超知性体ストロウワンの大戦の過程で平和を護らんがために狂気に堕ちた守護者ゴン=オルボン。かつての守護者同士の内戦直前に起こった、銀河系とマゼランにわたる、16の星団――〈星海〉の封印。そして、閉鎖された星海の中で、病的に死を恐れるがゆえに守護団を裏切った守護者タグ・カルザーニの物語を。
そして、いまなおキブを束ねるタグ・カルザーニの居城は、〈星海〉を構成する封印星団のひとつアルフォニーにあることを。そこは、テラからわずか500光年の位置にあった!