ティトゥス・ミュラーにC・S・ルイス賞
公式サイトを見ると、ゲスト作家ティトゥス・ミュラーが執筆した、2319話『ヴルガタの植民者』が、2005年C・S・ルイス賞を獲得したことが報じられている。
ティトゥス・ミュラーがゲスト作家として参加することは、既報のとおり。Logbuchによると、ともに市民講座のSFワークショップの講師として同席したつてで、ローダン編集長クラウス・フリックの知己となり、その後コンヴェンションで紹介されたフェルトホフとも友人関係にあるらしい。
では、C・S・ルイス賞とは? まさか、イギリスの文学賞かと思ったら、ドイツの出版社ブレンドウ社が従来開催していた「真珠文学賞」がリニューアルされたものらしい。同社はルイスのナルニア国物語やペレランドラ三部作のドイツ語翻訳版を出版している。その関係で、ルイスの誕生日である11月29日に発表される文学賞にこの名を冠したようだ。ちなみに、今年がリニューアル第1回。受賞作家にはイギリスはワイト島40日の旅をプレゼント、クリエイティヴな時間をお過ごし下さい、というのは、なんというかリッチなのか何なのか。さらに受賞作は翌2006年にブレンドウ社から独自に出版される予定である。
ところで、このルイス賞、選考基準がちょっと意外。「ドイツ語圏で現在刊行される文学作品で、キリスト教的価値観を知らしめたもの、再確認したもの」というのだ。SFでも、幻想文学でもないのである。4名いる審査員も、よく見ると神学者とか、新聞でキリスト教関連の連載を持っているラジオのコメンテーターとかなお歴々。
ミュラー自身は、中世ヨーロッパなどを舞台にした歴史小説が主なので、そのあたりの作品が受賞するなら、まだわかる。しかし、今回受賞したのは、ローダンにゲスト参加した『ヴルガタの植民者』なのである。どんなストーリーなのか、今度は期待半分、不安半分になってしまう。ロボットやエイリアンへの偏愛はどうなったのだ(笑)
以下、余談:
あれ? 2319話って、来年発売じゃないの? と思ったあなた。あなたは正しい。今回の受賞は、原稿段階で送られた作品に与えられたものである。よく見ると、選考規約には「文学作品プロジェクトに与えられる」と書かれている。ラスヴィッツ賞や星雲賞とはちがうのだった。
■公式News: PERRY RHODAN-Roman 2319 schon jetzt ausgezeichnet! (リンク切れ)
■Brendow Verlag: C.S. Lewis-Preis
ディスカッション
コメント一覧
ワイト島を40日後に出るには条件とかあったりして、ってことですね?(笑)
規定の枚数、原稿用紙を埋めるまで帰さなーい、とかね……(笑)