359巻『バラインダガル銀河の最期』

ハヤカワ版

ハヤカワ版359巻『バラインダガル銀河の最期』を読了した。著者は前半「バラインダガル銀河の最期」がフォルツ、後半「女たちの密命」がクナイフェル。訳者は嶋田洋一氏。

ついに制御をはなれて暴走しはじめた“大いなる黒いゼロ”。重力線の乱れと、次元震動のハリケーン。脱出のために一刻を争う状況で、肝心要の《ソル》の頭脳セネカをいまだに信用できないローダンたち首脳部。まあ、そりゃあたりまえである。ご主人様を裏切って、ケロスカーの7D計算システム・セタンマルクト(嘆息)と合体してしまった新生セネカなのだもの。いきなり〈それ〉のプログラムである、って言われてもなーw
ともあれ、7D計算システムを唯一ほんとうに活用できる人物、“計算者”ドブラクを救出すべく、仮面の男アラスカ・シェーデレーアとハルト人イホ・トロトがスペースジェットで進発する。一方、公会議側も、“計算者”を確保すべくSVE艦1隻が惑星ソーグへと急行していた……。はたしてドブラク争奪戦はどちらに軍配があがるのか。そして、崩壊してゆくバラインダガルからの脱出は成功するのか? ――という前半。

なんだかだんだんいろんなものが信用できなくなっていく人々。これはローダンたちのみならず、ケロスカー、ラール人ら公会議サイドでも顕著である。脱出が絶望的になり精神的に追い詰められていく、ドブラクの助手グレスコル。出世のために絶対ドブラクをみつけて帰るぜ!とかっこよかったはずのSVE艦司令フェルゴル=トラアク。このふたりのその後は毀誉褒貶はげしそー。とりわけ貶のあたりが。
特にフォルツらしいのが、〈計算師〉(Rechenmeister なので計算親方…じゃナニだし。計算者はあじけない気が)ドブラク。毎度のエキセントリックなエイリアンでありながら、孤高の人っぽくてよろしいかも。もっとも、七次元数学の観点から見ると物事が数字に見えるというのは、ちょっと想像力貧困なわたしだと追いきれない部分もなきにしもあらずだが……(笑)

後半は一転、舞台はメイルストロームの地球。
アフィリー禍を危惧したローダンによってひそかに疎開の行われた惑星オヴァロンから、4人の女性がテラに潜入。ブリーの「愛する心の復活(笑)」によっててんやわんやの地球でさらに一騒動を引き起こす。しかし……疎開が不完全だったのに加えて原因不明のトラブルで男性が絶滅してしまった植民地を救うため――って、要するに男漁りにきたんでっか?(要自重

以下余談だが、エル・ファタロ教授って、《バジス》搭載超兵器の名称の由来する2人のエンジニアの一方なんだろーか。
さて、来月から2ヵ月で3本エーヴェルスという強化月間である。
でもってクライマックスは6月の後半「オヴァロンからのメッセージ」だwktk

#3本じゃなかったよ……orz

Posted by psytoh