ローダンの奇妙な法廷
公式サイトによると、モンティロン/ファンデマーンの新草案チームによる、2700話からの新サイクルの名称が決定したとのこと。
2700話から2799話までの100話サイクルで、名称は《アトピア法廷(das Atopische Tribunal)》。
これ……原語は要するに「アトピー的法廷」で、atopisch は先天的過敏症とかアトピー性皮膚炎を指すアトピーとまるっきり同じ根っこである。むしろ検索してもその意味しか出てこないw
だからといって、これを「アトピー裁判」とか訳すと、カッコつけもへったくれもなくなってしまう。しょうがないので、いろいろと……というか、ぐるぐる考えてみた結果が、上記の仮訳になる。
以下は、そのぐるぐるの内容で、いってみれば、すべて余談である(笑)
以前、無限架橋ではアフィリー(Aphilie)を「アフィリア」と訳していたが、あれは「病名だから」。もっとも、件のアトピー(Atopie)とかは、たぶん英語のatopyをそのまま読んでいるんじゃないかと思われる。××恐怖症、とかも××フォビアだったりフォビーだったりするわけで。だから、アフィリーで問題なかったのだった。
一方、PrivateCosmos でカリブソの人形惑星をデログヴァニアと訳していたのは、-en とつくドイツ語の国名(「はてしない物語のファンタージェンとか)が英語の-a と対応しているから。ファンタジア、なわけで。
とはいえ、一個の固有名詞として考えれば、Derogwanien をそのまま音読みすることに、やはりなんの問題もない。
ひるがえって、上記アトピーは病名なわけだが、そのまま読んでいいのか。いや、絶対誤解されるだろ?
#誤解でない可能性も、なきにしもあらず。
そこで、語源であるギリシア語の atopos (奇妙な、異常)、さらにその派生元 atopia まで遡って考えると、a-(否定の前置詞)+topia (場所) で、「とらえどころがない、場所がさだまらない」となり、ユートピア(Utopia)とかと同系列の単語ではないか……という推論が成り立つ。
「非在法廷」なんて強引な訳も可能なわけだが、とりあえず、地名とかの固有名詞の形容詞形である可能性を(若干)考慮してカタカナに、というわけだ。なんだこの言い訳感あふれる文章は。
正直、最近の両作家のヘフト執筆作品を見ていると、不安しか感じられないのだが。さて、どうなるやら。
■公式サイト:PERRY RHODAN-Zyklustitel steht fest
※3/19追記
atopisch の(ぐるぐるの)件についても、マガンからコメントを頂戴した。
ちなみに、topic ですが
アリストテレスの著作に topika てのがありまして
「平凡なコト」みたいな意。
それに否定の接頭辞 a- がついて……というもの。なるほど納得。
そんな感じで、現状、でぃんふぉとごやてんでは仮訳が異なっているが、元々仮訳とはそーゆーもの。実態がはっきりするまではダブルスタンダード二正面作戦で(違
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コメント一覧
人類が(時間)警察と戦うというお話がありましたが、次は法廷に引きだされてしまうというのでしょうか。秩序の勢力の一翼を担う司法機関が、宇宙秩序を無視し身勝手に振る舞う低次種族テラナーに有罪の判決を下した……!ですとか。
Tribunal という単語自体は、ヴォイド・サイクルあたりでも遭遇しています。
200万年前の大戦の傷痕を「タブー」として封印したままにしようとする多銀河連合組織ダムリアル(大戦時のタンクストゥーンラ連合の後継組織)が、サンプラー惑星のアノマリーをいじりたおしたギャラクティカーたちを「タブー犯罪者」と認定するため、テアン(判事)が派遣されてきた話が、まさに Das Tribunal でしたね。
まあ、あれはぶっちゃけローカル法廷でありましたが。今回は、どうかなー? コスモクラートとか、裁判ひらく前にコスモファブリクとか青い転子状船とか侵攻してきちゃいそうだけど……?(笑)